(1)恒久化とは?

 従来のNISAは前述のように「投資可能期間と非課税期間が限定的」であった。長期の資産形成を目的としながら、その期間が限定されるということであれば、趣旨にはそぐわない。ところが今回は「投資可能期間も非課税期間も無期限」になったため、安心して制度を利用することができる。

 従来は非課税期間が終了した後、引き続き非課税利用を続けるか(これをロールオーバーと言う)、あるいは、翌年以降に新たに投資をするためにそれまでの残高は課税の口座へ移すかを判断しないといけなかった。だが、制度が恒久化されたことでそういうことを考える必要はなくなる。安心して長期に運用を続けることができるのだ。

(2)一体化とは?

 従来は、「一般NISA」と「つみたてNISA」は別の仕組みであり、かつどちらか一方しか利用することができなかった。しかし、今回の新しいNISAではこの二つが一体化される。具体的には、一つのNISA口座の中に「成長投資枠」と「つみたて投資枠」という二つの枠組みができる。

 成長投資枠というのはこれまでの一般NISAとほぼ似たような形であり、つみたて投資枠は従来のつみたてNISAとほぼ同じだ。商品も成長投資枠では株式にも投資できる一方でつみたて投資枠では従来通り、一部の投資信託などに限られる。これまでとの違いはこの二つの枠のどちらかしか利用できないのではなく、どちらも同時に利用可能なことだ。