1万人を接客した美容部員が教える「毎日のスキンケアの前に必ずやるべきこと」

現役美容部員のBAパンダさんが、幼なじみのマンガ家吉川景都さんにメイクを教える『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』。「メイクをこんなふうに、友達に教えてほしかった!」「まさに求めていた本!」と読者から圧倒的な共感を獲得、テレビ、ラジオ、SNSなどで話題の美容マンガです。
メイク方法は何も変えていないはずなのに、なぜか違和感……。似合わなくなってきた気がするけど、その原因がわからない。そんな「アラサー以降、メイクがなんとなく変」問題、どう解決したらいいのでしょう。
今回はBAパンダさんに「毎日のスキンケアで必ずやるべきこと」について、詳しく教えていただくことにしました。自分の肌のコンディションを知るために、プロはどんな対策をしているのでしょうか。(取材・構成/川代紗生、撮影/疋田千里)

乾燥肌の原因は100通り以上ある

──よく、美容雑誌なんかに「肌のコンディションに合わせたスキンケア対策を」とか書いてあるじゃないですか。でも、「肌のコンディション」の微妙な違いに気づくのってすごく難しくない!? と思って。たとえば、私、本当に致命的な状態になってからじゃないと、気づけないんです。

BAパンダ:致命的な状態っていうのは、たとえばどういうことですか?

──乾燥肌なんですけど、ひどいときは、皮が剥けちゃったり。それくらいのトラブルになってからじゃないと、気づけなくて。パンダさんが普段、自分の肌の調子を知るためにやっていることはありますか?

BAパンダ:まず大前提として、「私は乾燥肌だから」「オイリー肌だから」って、決めつけないこと! これがいちばん大事かもしれません。

──そうなんですね。スキンケア用品って、乾燥肌用・オイリー肌用とかくっきり分かれてるものが多いから、ちゃんとそれ専用のものを使ったほうがいいのかと思っていました。

BAパンダ:正直な話をすると、乾燥肌、オイリー肌、混合肌のうちどれに当てはまるかを見極めるのって、プロでもめちゃくちゃ難しいんですよ。たとえば「乾燥肌」かどうかというのは、水分保持能力が高いか・低いかの違いなんだけど、それって、季節や体調、女性のホルモンバランスなど、ありとあらゆる要因によってかなり変わりやすいので、普通は、見分けがつかないと思います。「肌は、日によって変動する」という事実を、まずは認識できるといいかもしれません。

──じゃあ、「肌のコンディションに合わせたスキンケア対策を」って、やっぱり大事なんですね……。

BAパンダ:はい、「自分はこれ」と決めつけない方がいいですよ! 乾燥肌の原因だって、何百通りもありますし。

──何百通り!?

BAパンダ:「冬だから乾燥しやすい」ってよく言いますけど、それだけじゃなくて、エアコン、ストレス、ダイエット……。乾燥肌の原因はめちゃくちゃあります。実は、パソコン作業をしているだけでも、乾燥するんですよ。ブルーライトの影響で、仕事でパソコン、タブレット、スマホなど、電子機器の画面をたくさん見ているうちに、気がついたら乾燥していた……というケースも。

──そっか。ブルーライトってたしか、「第3の紫外線」とも呼ばれているくらい、光のエネルギーが強いんでしたっけ。

BAパンダ:まあ、これはあくまでも一例ですが、とにかく、一口に「乾燥肌」といっても、それが本当に体質的な問題なのか、それとも外部要因でいま乾燥しやすくなっているだけなのか、わからないんです。

 だからこそ、むやみに「私は乾燥肌だから、乾燥肌用のケア用品を使おう」と判断せず、毎日チェックするのが大事なんです。

現役美容部員が毎日のスキンケア前にやっていること

──自分の肌のコンディションを知るために、スキンケアの前にやるといいことや、おすすめの方法ってありますか?

BAパンダ:自分で肌を触って、ベストな状態を知っておくことですね。違いがわかれば、油分か水分か、どちらを足すべきなのか、判断もできる。

──ベストな肌って、どんな感じなのでしょうか……。

BAパンダ:イメージは、赤ちゃんのお尻ですね(笑)。

──赤ちゃんのお尻!

BAパンダ:私が毎日スキンケアのときに気をつけているのは、触り方ですね。手を放したときの「吸い付き感」をたしかめる。手のひらにどのくらい吸い付くか? のチェックを習慣化すると、徐々に、自分の肌のベストがわかりやすくなると思います。

 いつもなら化粧水をつけたあと、5分は潤いをキープできるはずなのに、今日は化粧水をつけた途端になくなる……とかなら、もう1回化粧水をつけてみようかな、とか、もっとしっとりするものをつけてみようかな、とか。

──たとえば、「今日はちょっとテカるな……」「オイリー肌っぽくなってきた?」というときは、どうしたらいいでしょうか?

BAパンダ:よくあるお悩みなのですが、「今日はテカるから」と乳液を抜いたり、さっぱり系の化粧水に変えたりすること。その判断、いったん待って! と言いたいです!

──え! なんとなく、オイリーだから乳液抜くこと、私もよくあります……。ダメなんですか?

BAパンダ:肌の水分の不足を油分が補おうとしているからオイリーになっている場合も多いんです。だから、「テカるから」といって乳液を抜いてしまうことで、ますますオイリーになってしまう可能性も……。

──えええ!

BAパンダ:実は、乾燥肌の人でテカらない方が珍しいんです。全体的にオイリーに見えるけど、ちゃんと触ると、目の下はカサカサとか、場所によって、カサカサとオイリーが混在している人がほとんど。

 なので、肌のベストコンディションがまったくわからない! という人は、一度、スキンケアブランドのコスメカウンターに行って、肌診断をしてみるのもおすすめですよ!

1万人を接客した美容部員が教える「毎日のスキンケアの前に必ずやるべきこと」BAパンダ(びーえーぱんだ)
大手化粧品会社の現役美容部員
BA歴10年、現在2社目。これまで接客してきたお客様はのべ1万人以上。お客様の「なりたい自分」に合わせて商品や使い方を提案するように心がけている。吉川景都とは小学校時代の幼なじみで、30年来の友人。

吉川景都(よしかわ・けいと)
マンガ家
2003年少女誌『LaLa』(白泉社)でデビュー。著書に『片桐くん家に猫がいる』『子育てビフォーアフター』(新潮社)、『鬼を飼う』『こまったやつら』(少年画報社)などがある。メイクは好きだが、キラキラ美容部員さんのいるコスメカウンターは怖かった。アラフォーになり、「顔面迷子」状態の日々。

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