1万人を接客した美容部員が教える「マスクを取った自分の顔に違和感」を解消するコツ

現役美容部員のBAパンダさんが、幼なじみのマンガ家吉川景都さんにメイクを教える『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』。「メイクをこんなふうに、友達に教えてほしかった!」「まさに求めていた本!」と読者から圧倒的な共感を獲得、テレビ、ラジオ、SNSなどで話題の美容マンガです。
メイク方法は何も変えていないはずなのに、なぜか違和感……。似合わなくなってきた気がするけど、その原因がわからない。そんな「アラサー以降、メイクがなんとなく変」問題、どう解決したらいいのでしょう。
今回はBAパンダさんに「マスクを取ったときの自分の顔に違和感」という悩みについて、聞いてみました。(取材・構成/川代紗生、撮影/疋田千里)

マスク生活で下がった「口角」が表情を暗くする

──最近は、「マスクを取ったときの自分の顔に違和感」という悩みも、よく聞きますよね。リップを塗った自分の顔を忘れちゃうとか。マスクを外した顔が「なんとなく変」に感じたら、どこに気をつけたらいいでしょうか?

BAパンダ:うーん。これ、メイクの仕方に問題があるんじゃなくて、表情が変わっただけかもしれませんね。

──表情が変わっただけ?

BAパンダ:いまって、マスクをしたままだと、口角を上げなくても話せるじゃないですか。笑顔を見せる必要もない。そもそも、日本語って、あまり口を動かさなくても話せる言語。それに加え、マスク生活で余計に、表情筋を動かさなくてもいい生活が当たり前になっちゃった。

 だから、表情筋が衰えていて、3年前とは、笑顔の感じが少しずつ変わってきちゃってるのかもしれないですね。表情筋が衰えると、ほうれい線も目立つようになるので。

──言われてみれば、違和感があるのは、顔全体というより、「顔の下半分」かもしれません。

BAパンダ:顔の筋肉が衰えているので、口角が下がりやすいんですよね。

 メイクって本来は、「表情の動きを魅力的に見せるためのもの」なんですよ。

 たとえば、「チークを頬骨に沿って入れましょう」「ニコッと笑って出たところに血色感を」と言ったりするのは、笑ったときの表情をきれいに見せたいから。

 だから、チークがどれだけ素晴らしい位置に、いいグラデーションでついていたとしても、無表情だったら、魅力的に見えないんですよね。

──たしかに……。

BAパンダ:なので、マスク生活で「メイクの仕方、忘れちゃったかな?」「こんな感じだったっけ?」と違和感を感じたら、まずは口角が下がっていないか、確認してみるといいかもしれません。

 私たちは、自信をつけるために新しい口紅や新しいチーク、新しいファンデーションをつけているけど、一番大事なのは表情。笑顔でいることですから。

1万人を接客した美容部員が教える「マスクを取った自分の顔に違和感」を解消するコツ『メイクがなんとなく変なので友達の美容部員にコツを全部聞いてみた』188ページより。マスク対策のスキンケアも掲載。

マスクを外すときは、全部が濃くならないように注意

──今後、徐々に、マスクを外せる機会も増えたらいいな……と思いますが、コロナ前とまったく同じメイクは、やっぱりやめたほうがいいでしょうか?

BAパンダ:2~3年も経つとトレンドも変わっていますし、まったく同じメイクをするのは難しいと思います。

 たとえば、コロナ前は、チークと口紅は赤系が多かったんです。目元はベージュでシンプルにまとめ、チークやリップにパキッとした色を置く、というバランスが人気だった。

 でも、コロナ禍以降は、ベージュ系は全然売れなくなりましたね。やっぱり、マスクをすると目元しか見えないから、アイシャドウに肌色の延長の色を使うと、元気がなく見えてしまう。アイメイクに赤やオレンジを使う、という人が増えたような気がします。

──そうか、アイメイクとリップメイクのバランスは、気をつけます!

BAパンダ:今後マスクを外せる機会が増えると、チークやリップにも色をのせたくなると思います。ただ、マスクをしていたときのノリでアイメイクをすると、どうしても目元も濃い、チークも濃い、口元も濃い、みたいになっちゃうと思うから、全体的に濃くならないように、バランスを気をつけられるといいかもしれませんね。

1万人を接客した美容部員が教える「マスクを取った自分の顔に違和感」を解消するコツBAパンダ(びーえーぱんだ)  大手化粧品会社の現役美容部員
BA歴10年、現在2社目。これまで接客してきたお客様はのべ1万人以上。お客様の「なりたい自分」に合わせて商品や使い方を提案するように心がけている。吉川景都とは小学校時代の幼なじみで、30年来の友人。

吉川景都(よしかわ けいと)  マンガ家
2003年少女誌『LaLa』(白泉社) でデビュー。著書に『片桐くん家に猫がいる』『子育てビフォーアフター』(新潮社) 、『鬼を飼う』『こまったやつら』(少年画報社) などがある。メイクは好きだが、キラキラ美容部員さんのいるコスメカウンターは怖かった。アラフォーになり、「顔面迷子」状態の日々。

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