使い捨ての駒たちの
割に合わない犯罪

 詐欺罪であれば、初犯で末端の実行役に過ぎないと判断されれば、親族などから金をかき集めて被害を弁済すれば執行猶予の可能性もある。しかし、強盗となるとそうはいかない。

 被害者の生命を奪う強盗殺人・致死罪の場合は、過去に同様の事件を起こした再犯なら、無期懲役どころか、死刑の可能性が高い。初犯であっても懲役10年以上はまず固い。大塩さん殺害のようなケースなら、初犯でも懲役20年は超えるのではないだろうか。

 まれに執行猶予のニュースを見ることもあるが、これは「事後強盗」と呼ばれるもので、窃盗の後に逃走するため、被害者に暴行や脅迫をしたケースだ。分かりやすく言えば泥棒が逃げようとして相手を殴ったり、脅したりしたということで、相応の償い(賠償金など)をすれば「よしなに」と判断されることもあるという程度だ。

 ルフィを指示役とする広域強盗事件のようなケースであれば、初犯で被害者にけがを負わせていなくても、まず執行猶予はありえない。今回、指示役が特定されたレアなケースではあるが、特殊詐欺と同様、いつも摘発されるのは末端の実行役で、指示役からすれば「使い捨ての駒」に過ぎない。

 闇バイトに応募した実行役(強盗犯)にも「今日の生活さえままならない」など、やむにやまれぬ事情はあったのだろう。こうした犯罪が後を絶たないのは、そうした事情のある人たちが多くいるからかもしれない。

 ただ言うまでもなく「割に合わない犯罪」であることは、誰の目にも明らかだろう。

【訂正】記事初出時より以下の通り訂正します。
18段落:「東京都稲毛市」→「東京都稲城市」
(2023年2月7日13:34 ダイヤモンド編集部)