銀行・信金・信組 最後の審判 #8Photo:PIXTA

日本列島に点在する254の信用金庫について、ダイヤモンド編集部が収益性や地域密着度などの指標で独自「格付け」ランキングを作成。北海道・東北、関東、中部、近畿、中国・四国、九州・沖縄の各ブロックで集計したところ、関東1位の西武信用金庫が全国1位に輝いた。全国2位は近畿のトップ信金だった。特集『銀行・信金・信組 最後の審判』(全16回)の#8で、最新ランキングの詳細を公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

ゼロゼロ融資の“プチバブル”終焉
信金の貸出金利息が再びマイナスに

 国の実質無利子・無担保融資(ゼロゼロ融資)の返済が本格化し、その貸し出し収益が剥がれ落ちる影響は、地方銀行より、零細な中小企業に融資する信用金庫の方が大きいかもしれない。

 信金中央金庫地域・中小企業研究所によれば、全国の信金の企業向け貸し出しは2020年度末に前期比12.6%増と、近年ない大きな伸びを示した。

 もちろんゼロゼロ融資の恩恵だ。なにしろいくら貸し出しを増やしても元本の80%か100%を信用保証協会が保証し、公金で利子補給を受けられる、金融機関にとってはうまみしかない制度である。07年度から一貫して減り続けた信金の貸出金利息も、20年度に久方ぶりの前期比プラスに転じている。

 だが、それは一時的な“プチバブル”にすぎなかった。実際、21年度になると貸し出しが伸び悩み、貸出金利息も再び前期比減に戻ってしまった。

 信金は、1951年に施行された信用金庫法に基づいて設置された共同組織金融機関だ。融資先や営業地域に制限が設けられており、株式会社である銀行とは違って営利を追求する必要はない。だが、経費を賄える程度の収益は確保しなければ、地域金融の担い手としての使命を果たせないのは自明だ。

 そこでダイヤモンド編集部は、全国254信金の収益力や地域密着度などを総合的に分析し、独自「格付け」ランキングを作成した。次ページでその結果を公開する。