銀行・信金・信組 最後の審判 #10Photo:PIXTA

日本列島に点在する139の信用組合について、ダイヤモンド編集部が収益性や地域密着度などの指標で独自「格付け」ランキングを作成した。1位に輝いたのは、「地域完全密着」を掲げる広島市信用組合だった。特集『銀行・信金・信組 最後の審判』(全16回)の#10で、最新ランキングの詳細を公開する。(ダイヤモンド編集部副編集長 重石岳史)

医師、出版製本、鉄道、新聞社…
江戸時代がルーツの信組の実力は?

 信用組合の歴史は古い。

 江戸時代にはその原型が存在し、二宮金次郎が発案した「五常講」がよく知られる。零細な農民や商人、手工業者らがお金を融通し合い、支え合う。明治期の1900年に産業組合法が成立し協同組織金融機関となった後も、地域や職域などの同じコミュニティー内で組合員に融資する相互扶助の精神は変わらない。

 一般社団法人の全国信用組合中央協会によれば、一定の地区内の中小・小規模事業者や生活者を組合員とする地域信用組合が102組合、医師、歯科医師、証券、出版製本、公衆浴場、青果市場など同業種の人たちを組合員とする業域信用組合が27組合、官公庁、鉄道会社、新聞社など同じ職場に勤務する人たちを組合員とする職域信用組合が16組合ある。

 その預金積み金残高の総額は、2022年3月末時点で約23兆円だ。地方銀行で最も預金残高が多い横浜銀行の約17兆円を上回る規模だが、各信組は独立した金融機関である。収益性や地域密着度などの指標で優れた信組はどこか。

 全国145信組のうちディスクロージャー誌を開示している139信組を対象に、ダイヤモンド編集部独自の「格付け」ランキングを作成した。次ページでその全容を公開する。