中国が大型クルーズ船の製造をスタート

 ここ10年、山東省の青島市、私の出身地の上海市、福建省のアモイ市、河北省の秦皇島市、広東省の広州市に行くと、どこでもクルーズ船の訪問を誘致する話が出た。これらの地方は、大きな港をもっているから、クルーズ船の訪問を誘致したいのは当然のことだろう。

 ただ一番、驚いたのは、内陸の都市で、海とは何のつながりも持っていない陝西省の西安市からもクルーズ船関連の企画を持ち掛けられたことだ。

「日本のクルーズ船が中国の港に寄港したとき、一部の乗客が降りて陸上の移動で西安を訪問し、クルーズ船が寄港する次の港まで飛行機で移動して、そこで船に戻ることはできないのか」

 一見、奇想天外な企画ではあるが、確かに世界一周の船旅を手掛ける日本のクルーズ船には、欧州を横断するという類似のオプショナルツアーがある。西安はしっかりと調査したうえ出した企画だった。このような発想があったから、クルーズ船を経営する会社も西安を高く評価して現地に赴いてクルーズ船の乗客が撮影した作品を展示する写真展を大々的に行った。こうして、陸のシルクロードが海のシルクロードとつながった。

 そんな中、中国もクルーズ船の製造を始めたというニュースを耳にした。