ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
三菱総研のニューノーマル消費を読む

「モノ消費」から「コト消費」へ
変化するシニア市場を攻略する3つの“C”
――三菱総合研究所主席研究員 高橋寿夫

高橋寿夫 [三菱総合研究所事業予測情報センター主席研究員]
【第3回】 2013年2月13日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

いま消費は所有価値(モノ)から使用価値(コト)へ変化している。第3回はシニア層では「モノからコトへ」の変化に、どのような特徴があるのかを分析し、シニア消費を活性化する3つの“C”について述べていきたい。

「コト消費」を顕在化させるには
複数のコト消費を組み合わせる

 「一つ買ったら一つ捨てるというルールを作っています」
 「物を所有するためにおカネを使うのは、できるだけやめようと思いました。同じなら思い出として心に残せるようなことにおカネを使いたいなと思うようになりました」

 これは第2回でも紹介した最新のマーケット手法「MROC(Market Research Online Communities)」(注1)内で発言されていた会話であり、ほしいモノからやりたいコト、つまり「モノからコトへ」と変化するシニア消費を表した典型的な言葉である。

 図1は、60代の人に「ものを持たない暮らしをしたい」かどうか、その意向を質問したものだ。男性の33%、女性の56%が「そうしたい」または「ややそうしたい」と回答しており、特に女性にモノ離れの傾向が見られる。MROCC内の別の発言を見ると、女性の場合、人生の終わりのための活動、いわゆる「終活」の一つとしても、身の回りのものを整理しておきたいという意識が働いているようだ。

 MROC内で次のような発言が見られた。

 「私の持ち物がこのまま残されたら整理するのは大変。いろいろな物を捨てていく…」

 家事を担うことの多かったこの世代の女性は、自分の持ち物をきちんと整理してエンディングを迎えたいという意識があるのか、モノを持たない生活を送ろうという意向が高いようである。

(注1)インターネット上にリサーチ専用のコミュニティを構築することでアンケートやグループインタビューなど、従来の手法では得られなかった生活者の本音を発見することができる次世代のリサーチ・プラットフォーム。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

高橋寿夫 [三菱総合研究所事業予測情報センター主席研究員]

たかはし・ひさお
1963年生まれ、89年早稲田大学大学院理工学研究科修士課程修了、同年三菱総合研究所入社。主に事業性評価や新規事業戦略立案に従事。2011年10月より現職。


三菱総研のニューノーマル消費を読む

リーマンショック、東日本大震災と続いた未曾有の出来事によってもたらされた環境変化は、これまでの社会秩序を覆し、新しい価値観・生活行動(ニューノーマル)を生み出しました。そんなニューノーマル時代における生活者の変化や今後の方向性を、三菱総研が実施する3万人、2,000設問という国内最大規模の生活者定点調査(mif [Market Intelligence & Forecast] )のデータから読み解きます。本コラムと合わせて『3万人調査で読み解く日本の生活者市場』(日本経済新聞出版社)もご参照ください。

「三菱総研のニューノーマル消費を読む」

⇒バックナンバー一覧