花粉症の症状緩和には
“スイッチOTC”が有効

「花粉症の自然寛解は非常に少ないということが、よく知られています。自然に治る方はほんの数%しかいないので、花粉症の対策・治療をしっかり行うことが重要になってきます」

 症状の軽重は花粉の飛散量に大きく影響を受けることが多いため、一時的に花粉症の症状が現れない年が続いたとしても、花粉症が「治った」のではなく「軽減した」だけである可能性が高いのだ。

 今年のように花粉の飛散量が多い年は、普段よりくしゃみ・鼻水が止まらない、目のかゆみがなくならない、といった症状が現れる可能性は高い。では、花粉症に対してどのような対策を取るべきだろうか。

「花粉のシーズン中は、とにかく花粉に触れないことが一番の対策になります。コロナの影響もあってマスクを着用される方は多いと思いますが、メガネの着用も目から入りにくくなるので効果はあるでしょう。花粉症用の目元をしっかり覆うタイプであれば、より効果的ですね」

 玄関の外でコートをはたいて花粉を落としてから屋内に入ったり、起毛のないつるっとした服装で出かけるといった、花粉症を生活空間に持ち込まない工夫も有効だという。

 また、妊婦のように薬の服用が難しいという人には、目や鼻の周囲にワセリンを塗って花粉の侵入を防ぐといった方法もあるという。ベタつきや見た目を気にしなくて良い場面であれば、花粉症対策の1つとして効果が期待できるそうだ。

 対策をしても、花粉症の症状が現れてしまうことは往々にしてある。コロナ禍においては、花粉症の症状とコロナの症状で類似点も多いため、紛らわしい場合も少なくない。

「花粉症のくしゃみ・鼻水や喉がイガイガするといった症状は、コロナと区別がつかない場合もあるでしょう。しかし、花粉症の症状を抑えたり根治を目指した治療を行ったりすることで、インフルやコロナになったかどうかの判断がしやすくなるかと思います」

 花粉症が発症してしまい、症状を抑える・治療を行うという状況であれば、症状を緩和させる薬の服用で対応していくことになる。現在は、もともと処方薬であったものが市販薬となった「スイッチOTC」に類する薬を、薬局で購入できる。

「もちろん、花粉症の症状が出ているのであれば、初めから医師に相談するのがベターな選択肢です。スイッチOTCを利用しても症状がつらいと感じるのであれば、我慢せずに医師に相談しましょう」