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放射能、アスベスト、有害ゴミ……「環境汚染大国ニッポン」

「路上の表現活動に対する不当介入」
勾留理由開示で明かされる警察対応の実態(4)

井部正之 [ジャーナリスト]
【第19回】 2013年2月15日
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2011年3月の東日本大震災で発生した震災がれきを全国各地で受け入れて処理する、いわゆる震災がれきの「広域処理」。現在大阪市が計画している「広域処理」に対して反対運動が続いているが、そうした反対派の逮捕が相次いでいる。2012年12月には関西の広域処理反対運動のリーダー的な存在である阪南大学准教授の下地真樹氏ら3人が逮捕された。下地氏ら2人は20日の勾留後、釈放されたが1人は起訴された。がれき広域処理の反対運動に対する弾圧との指摘もある一連の警察介入の真相に迫るとともに、今年2月から震災がれきの受け入れを本格実施した大阪市の状況を報告する。

事実関係にすら混乱

 「黙示の共謀」による共同正犯──。

 これが前回紹介した、2012年12月18日に大阪地裁で開催された、阪南大学経済学部・下地真樹准教授の勾留理由開示公判で明らかになった、10月17日のJR大阪駅構内での“無許可デモ”における不退去および威力業務妨害容疑の内容である。

 下地准教授の直接的な関与として裁判所から示されたのは、駅構内で「駅員と押し合いになった」「デモ行進で大声を出していた」とのJR職員の供述だけだ。一部、写真あるいは映像が証拠としてあるような説明もあったが、具体的には明らかにされなかった。勾留を必要とする理由も「仲間との打ち合わせや働きかけの可能性がある」ため、罪証(証拠)隠滅につながりかねないというのだが、駅構内の監視カメラの映像などがあるのであれば、そんなこと不可能だろう。

 長井秀典裁判長の説明に対し、太田健義弁護士が求釈明で尋問さながらの鋭い質問を次々と繰り出して追及した。その後の意見陳述でも太田弁護士は、下地准教授が証拠を隠滅するようなことはないこと、市民運動つぶしの側面があることを訴えた。

 最後に下地准教授が意見陳述をした。

 「意見申し上げます」

 そう前置きして陳述を始めた。意見書から引用する。

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井部正之 [ジャーナリスト]

地方紙カメラマン、業界誌記者を経て、2002年よりフリー。現在アジアプレス・インターナショナル所属。産業公害や環境汚染、ゴミ問題などを中心に取材している。


放射能、アスベスト、有害ゴミ……「環境汚染大国ニッポン」

2011年3月11日、東日本大震災が発生し、東京電力福島第一原子力発電所の事故による大量の放射能がまき散らされた。それ以来、私たちの生活は大きく変わった。降ってくる雨水、蛇口から出る水、スーパーで売られている食べ物……、ありとあらゆるものが、放射能に汚染されているのではと、汚染を疑わざるを得なくなったのだ。しかし、こうした私たちの生命と健康を脅かす汚染は、なにも3.11で始まったわけではない。アスベスト、他のさまざまな有害ゴミは、もともと私たちの生活のすぐそこに存在した。環境汚染大国ニッポンー◯。その実態をレポートする。

「放射能、アスベスト、有害ゴミ……「環境汚染大国ニッポン」」

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