FPはボランティアではなくビジネス
対価の支払いが必須

 次にアドバイスに対する対価である。言うまでもなくアドバイザーはボランティアではなく、ビジネスだ。一定の対価がないと成立しない。しかしながらFPを例に取るとその多くが1時間の相談で5000円とか1万円という程度しか徴求できていないのが現状だ。

 筆者にはFPの知り合いも多いのでよくわかるが、本当に資産運用や家計管理についてきちんとしたアドバイスをするのであれば、顧客と対面で相談を受ける時間以外に調査をしたり、提案書を作ったりという膨大な時間が必要となる。とてもじゃないが1時間1万円程度で見合うような業務ではないのだ。

 だから金融機関からのコミッションがないと回らないという人が多いのである。

 さらに問題は、その金額ですら顧客がお金を払ってくれるかどうかわからないということである。
前述したように金融機関の社員の多くは名刺にFPと記載してはいるが、彼らは当然、アドバイスフィーなどは取らない。それはそうだ。彼らは金融商品を販売している人たちなのだから、そんなもの取るはずがない。

 顧客の中にはその違いが理解できず「金融機関に相談したら無料なのに、お金を取るのか!」という人も多いだろう。これはかなり悩ましい問題で、ちゃんとした対価を払ってくれる人がもっと増えなければアドバイス業務というのは成立しないのである。