「炎」と比喩される中国の食文化
点心は「命の中心のもの」という意味

 中国料理は、しばしば比喩的に「炎」と表現されます。強火で調理され、豪快に大皿に盛られた料理は中国料理の象徴。まさに「炎」のようなイメージです。

 器や盛り付けの美しさや季節感を楽しむ和食、芸術的な盛り付けとソースを楽しむフランス料理に比べると、中国料理は豪快な印象があるかもしれません。

 しかし料理の味わいだけでなく、その国の食文化ごと楽しめてこその教養です。中国料理を食べるときには、体を冷やすものを避け、医食同源に基づいた炎のような力強さを堪能してください

 そんな中国料理で、もう1つ、欠かせないのは「点心」です。

「点心」とは、もともと中国語で「とても大切なもの」「命の中心のもの」といった意味合いのある言葉。つまり、それほど中国人にとって大事なものということです。

 点心は、大きく「鹹点心」と呼ばれる塩味のものと、「甜点心」と呼ばれる甘いものがあります。鹹点心は麺類、チャーハン、シュウマイ、餃子、春巻き、簡単な炒めものまで多彩。甜点心には、揚げまんじゅう、桃まんじゅう、杏仁豆腐、マンゴープリン、揚げバナナなどがあります。

 一見すると「軽食」が多いという印象を受けると思いますが、中国人にとっては、朝食として、おやつとして、あるいは夜食として――つまり朝から晩まで非常に身近で重要なもの。コースの後半に出されることもよくあります。点心は、中国の食文化の根幹を成すものの1つなのです。

 さて、中国料理のマナーはシンプルです。とはいえ、大人数で大皿料理をシェアするにはチームワークが求められますし、食事の席での振る舞いは、いくつかの点で日本人の感覚と大きく異なります。次のポイントを頭に入れておきましょう。

>>中国人と会食するなら絶対覚えておきたい!「中華料理のマナー」6選』に続きます。