医療費が高額になるときは「マイナ保険証」がお得!自動で高額療養費が適用にPhoto:kyodonews

普及が進み、保険証との統合も決まったマイナンバーカード。実は、マイナンバーカードを利用した方が確実にトクになる用途が一つある。それは大きな病気やけがなどで医療費が高額になるときである。連載『医療費の裏ワザと落とし穴』の第258回では、マイナ保険証で高額療養費の適用を受ける方法を詳しく見ていこう。(フリーライター 早川幸子)

マイナ保険証が利用できる医療機関なら
限度額適用認定証なしで高額療養費が適用される

 デジタル庁によると、3月26日までのマイナンバーカードの累計交付枚数は約8348万枚。国からポイントをもらえるマイナポイントの給付もあり、人口の66.3%まで普及が進んだ。

 これに伴い、公的な医療保険(健康保険)の情報を、マイナンバーカードにひも付けるマイナ保険証の登録者も約5500万人まで増加。カードの交付を受けた人の65.9%が、利用登録を行っている。

 マイナ保険証は、マイナンバーカードを健康保険証として利用するもので、カードの個人認証機能を使って、本人確認や、加入している健康保険組合の特定を行うものだ。

 利用登録すると、マイナポータルサイトで管理されている過去の治療歴や健診データなどを閲覧できるので、データに基づく適切な治療が受けやすくなる。

 医療費の面でのメリットもあり、この4月から、マイナ保険証を利用すると、健康保険証で受診するよりも、窓口での自己負担額が、初診時40円(3割負担で12円)、再診時20円(3割負担で6円)が安くなる(オンライン請求、オンライン資格確認システムを導入している医療機関の場合。2023年12月までの期間限定の措置)。

 さらに、マイナ保険証に対応できるオンライン資格確認システムを導入している医療機関では、医療費が高額になった場合の手続きも簡素化できる。限度額適用認定証がなくても高額療養費の適用が受けられるので、認定証を入手する手間を省くことができるのだ。

 今回は、マイナ保険証に対応している医療機関での高額療養費の適用方法について見ていこう。

●これまでは、高額療養費制度の適用を受けるには事前に限度額適用認定証を自分で発行手続きを行う必要があった
●オンライン資格確認システム適用の医療機関では、マイナ保険証の利用で限度額適用認定証は不要に
●世帯合算はできないので注意