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石黒不二代の勝手に改革提言!ニッポンの新しい教育

国連職員になるにはどうすればよいか
日本人が国際機関で働くための“近道”は「志」

――ILOジュネーブ本部多国籍企業局 シニア・スペシャリスト荒井由希子さん×ネットイヤーグループ石黒不二代社長【前編】

石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]
【第25回】 2013年2月25日
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国連職員になりたい。でも、どうしたらいいのかわからない――。

日本で普通の生活を送っていると、国連をはじめとした“国際機関で働くこと”は想像すら難しい。しかし、日本人でありながら、世界銀行や国連といった国際機関で活躍するチャンスは大いにある。国際連合の専門機関である国際労働機関(ILO)で働く荒井由希子さんはその機会を掴んだ1人だ。荒井さんは現在、ILO多国籍企業局シニア・スペシャリストとして、ジュネーブ本部とアフリカやラテンアメリカなどの途上国を行き来し、現地の労働環境改善などに努める活動を行っている。

とはいえ荒井さんはもともと、「国連で働きたい」と思っていたわけではなかったという。ではなぜ、そんな荒井さんが今、国連で働くことになったのだろうか。世界がグローバル化する中で、日本人の役割は変わるはずだ。それを探るために、私たち日本人から見て遠い世界に感じる国際機関で働くための“近道”を聞くことから始めてみた。

国連職員として働きながら
“日本人でよかった”と感じる瞬間

あらい・ゆきこ
国際労働機関(ILO)ジュネーブ本部 多国籍企業局 シニア・スペシャリスト 東京都出身。慶應義塾大学卒業。1996年、ジョンズホプキンス大学高等国際問題研究大学院(SAIS)入学、メキシコ教育省研究員や、米州開発銀行にてリサーチアシスタントとして勤務し卒業。1998年、世界銀行ラテンアメリカ・カリブ海地域局人間開発部教育セクターに入行し、中南米の大規模教育融資プロジェクト・調査に携わる。2001年、国際労働機関(ILO)にヤングプロフェショナルとして入り、ジュネーブ本部児童労働撲滅国際計画に配属。2002年には、ILOアジア太平洋総局バンコク事務所に異動、貧困削減及び児童労働の専門家として配属され、2003年に同局付、貧困削減アナリストに。2006年、ILOジュネーブ本部、多国籍企業局へ異動。以来、シニア・スペシャリストとしてカントリープログラムをリード・統括し、グローバルサプライチェーン、及び多国籍企業進出先における雇用・労働問題に携わる。
Photo by Toshiaki Usami

荒井 年末に一時帰国した際に本屋さんへ行って驚いたのですが、1つコーナーができているほど日本では今、「グローバル人材」が注目のテーマになっているのですね。

 日本では、「グローバル化=いかに欧米化するか」と受け取られがちですが、実は英語だけでなく、フランス語やスペイン語など他の言語も必要だし、欧米化しただけではアジアやアフリカでは通用しません。そうした点は日本人の方々に複眼的見方をしてもらいたいと思います。日本の教育の改善点は多々あるかもしれませんが、でも私はやっぱり子どもがいたら、日本で教育を受けさせたいですね。

石黒 え?それは、どうしてですか?

荒井 日本人の価値観には他国にはない素晴らしいものが多いと思うからです。確かに日本の平均点主義は問題だと思います。けれど、社会の一員として育てられ、他人に対するマナー・やさしさや集団行動ができる点は、重要と考えます。欧米的な自己主張の強さは「アグレッシブ」ではありますが、グローバルな現場で必要なのはアグレッシブではなくて、「アサーティブ」ですから。

石黒 確かに、「すごくアグレッシブな人だね」と言われると、自分勝手でどんどん前に出るというネガティブな印象がありますよね。一方の「アサーティブ」は、自分の主張をするというよりも、相手を大切にしながら自分の意見を述べる、という印象がありますね。

荒井 そうですね。「アグレッシブ」って一方的に玉を投げる感じですけど、「アサーティブ」はまず相手の玉をキャッチして、それを消化してそれから自分のカードを出すような印象です。ですから、日本人のように周りとの和を尊重するカルチャーはきっとグローバル化のなかで、生きてくると感じます。日本人は、世界どこにいっても嫌がられない国民だと思いますよ。

石黒 自分が日本人で良かったと思った経験はありますか?

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石黒不二代 [ネットイヤーグループ代表取締役社長兼CEO]

スタンフォード大学にてMBA取得後、シリコンバレーにてハイテク系コンサルティング会社を設立し、日米間の技術移転等に従事。2000年よりネットイヤーグループ代表取締役として、ウェブを中核に据えたマーケティングを支援し独自のブランドを確立。

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グローバル化が急速に進む今、世界で通用する競争力を持ち、リスクや変化を恐れずに活躍できる人材が渇望されている。しかし、日本はそうした人材を十分に育てられない環境下にある。今後、世界で活躍できる人材を育てるにはどのような教育改革が必要か。子どもの教育、社会人教育の両面から、その答えを探っていく。

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