親子の会話で「私」と「あなた」を主語にすると、子どもが伸びるワケ写真はイメージです Photo:PIXTA

教育の現場では、学力だけでなく、課外活動や個性など多様な面で子どもを評価するようになってきました。しかし、学力以外の行動力を伸ばすにはどうしたらいいのでしょうか。コミュニケーションのプロが、子どもの能力を伸ばす方法を伝授します。(オリオンズベルトグローバル代表 小林音子)

ビジネスの現場だけじゃない!多面的に進化する大学入試

 多面評価(360度評価)を行う企業が、2000年頃から増え、今は珍しいものではなくなってきています。

 多面評価とは、従来の年功序列型や上司からの単一的な評価とは異なり、部下や同僚などさまざまな立場からの評価を取り入れることで、多角的な視点から個人の能力や貢献度を測ることを目的としています。

 この評価の重要なポイントは、「仕事の能力」だけで評価されるものではないということです。もちろん、仕事の成果は重要ですが、それだけでは十分ではありません。多面評価では、コミュニケーション能力が非常に重要な要素となります。周囲との協調性や、チームワークへの貢献度など、仕事の成果に加えて、組織への貢献が評価されます。

 多角的な視点を取り入れる評価方法は、教育分野にも広がっています。

 例えば、ポートフォリオ評価やパフォーマンス評価などは、生徒の学習過程や成果を多角的に評価する手法として知られています。

 総合型選抜入試(旧AO入試)や学校推薦型選抜入試も、その一例です。学力試験の成績だけでなく、個性、適性、意欲、課外活動、自己PR、推薦状など、多岐にわたる要素で評価されます。

 大学入試においても、総合型選抜入試は増加傾向です。「勉強ができる」という一面的な評価だけで大学に入る方法は、今後どのように変化していくのか、注目されるところです。