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日本最大の旅行会社JTBが、世界最大の旅行予約サイトのエクスペディアと業務提携した。直接の提携会社は、アジアでのエクスペディアを統括するエアアジアエクスペディアだ。
今秋をメドに、JTBのホームページを通じて、エクスペディアが提供する世界3万都市の約15万軒のホテルが予約できるようになる。また、エクスペディアの日本向け予約サイトでは、JTBの「るるぶトラベル」などが提供する日本の旅館約7000軒の予約ができるようになるという。
エクスペディアとの提携の背景にあるのは、JTBの危機感だ。
「JTBはパッケージ旅行や団体旅行では知名度が高いが、旅行者が航空券とホテルを自由に組み合わせる個人旅行が弱い」(JTBの田川博己社長)。しかし今日、成長しているのは個人旅行だ。
しかも、エアアジアなどのLCC(格安航空会社)はインターネット予約をメインの販売ルートに位置づけており、それも個人旅行市場の拡大に拍車をかけている。
「エクスペディアは日本市場で年率50%の成長を遂げてきた。LCCの利用者の増加とともに、ネット予約の市場はさらに拡大する」とエアアジアエクスペディアのキャスリーン・タン最高経営責任者(CEO)は自信満々である。
一方、JTBはネット予約にも出遅れている。同社のホテル予約全体に占めるネット予約の比率は1割にも満たないのだ。
「JTBが今から海外のホテルとの契約を拡大していくよりも、エクスペディアのネットワークを利用するほうが効率的」(田川社長)と割り切ったことで、今回の提携になったようだ。