このような就活の実情が徐々に知られてきたためか、当社が運営している就活スクール「ホワイトアカデミー」には、学生だけでなく、親御さんもしばしば来校されます。そして親御さんはみな、

「子どもの就活を甘く見ていた。全然うまくいっていない」

「今の就活がこんなに厳しいとは思わなかった」

 と悩みを漏らされます。とくに選考の最盛期には、1カ月間に300件もの親御さんからのご相談が寄せられることもあるほどです。そして現代の就活について私がお話をすると、一様にご自身の就活への考えの甘さを痛感され、

「これからでも間に合う、子どもが一流ホワイト企業に内定できる方法があれば、教えてほしい」

「就活に挫折した息子はもう引きこもりに近い。こんな状態でもきちんとした会社に入るにはどうしたらいいか」

 などとおっしゃいます。あるいは、ご自身が公務員だったり大学卒業後すぐに専業主婦になったりされた方などは、

「民間の企業に就職しようとしている子どもを、どう支援したらいいのか……。いい方法を教えてほしい」

 と言うのです。

「一流ホワイト企業の内定が出る学生」
になる2つの条件

「竹内先生、大手企業10社から内定をもらったんですが、どこを選んだらいいでしょうか。ほかに市役所からも内定をもらってますが、ちょっと自宅から遠いんで、そこは辞退しようかと」

 これは、当スクールでトレーニングを積んできた学生の言葉です。スクール生の中には、一流ホワイト企業――たとえば味の素や資生堂などの人気メーカーやNTTのような通信会社、はたまた全農(全国農業協同組合連合会)のようなみなし公務員企業に軒並み内定する学生もいます。人気企業からの内定を多数もって、

「どこにしようかな~、○○自動車は、なんとなく合わなそうなんだよな~」

 なんて贅沢な悩みを抱えている学生もいるくらいです。こんな学生は何が違うのでしょうか?留学経験の有無でしょうか?大学のブランドでしょうか?大学で優秀な成績を取っていることでしょうか?

 いえ、正直、上に挙げたものはすべて、「一流ホワイト企業から内定を得る」うえでは関係ありません。私がたどりついた「一流ホワイト企業から内定を得られる学生」の条件は大きく2つです。