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発泡スチロール再資源化の先駆者
パナ・ケミカル社長 犬飼 重平

週刊ダイヤモンド編集部
【第20回】 2008年2月22日
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パナ・ケミカル社長 野坂 英吾
パナ・ケミカル社長  犬飼 重平

 東京都杉並区の住宅街。その一角に慎ましやかに拠を置く、社員20人の企業が注目を集めている。プラスチック原料を扱う専門商社、パナ・ケミカルだ。主力業務は発泡スチロールのリサイクル。同分野での国内シェアは80%、売上高は55億円を誇る(2007年度予想)。

 社長の犬飼重平は、もともと貿易会社で化学薬品を扱っていた。松下電工と関係が深かったこの会社で、「身の丈経営」などの“松下イズム”をたたき込まれたという。36歳のとき、松下電工の販売代理店として独立。同社が開発するプラスチック原料の市販を担うこととなった。

 販売は好調だった。ところが設立から3年後、想定外の危機に直面する。オイルショックで、原料がまったく手に入らなくなってしまったのだ。そのとき、犬飼の目にとまったのが、発泡スチロールだった。

 当時、水産市場に鮮度保持のため発泡スチロールが急激に普及し始めていた。「あれをなんとか利用できないか」。犬飼は装置メーカーと共同で、発泡スチロールを溶かし、圧縮する機械を開発。築地市場に持ち込んだ。

 デモンストレーションを見た市場関係者は驚き、そして大歓迎した。発泡スチロールの処理は、彼らの大きな悩みとなっていたからだ。重量の割にかさばり、埋め立てには運送などのコストがかかる。かといって焼却すれば、もうもうたる黒煙が上がる。それが50分の1に圧縮されてしまうのだ。

 犬飼の説明を聞いた関係者は、さらに仰天することになる。処理後の廃材を、有償で引き取るというのである。厄介なゴミが片づき、カネになるのだから、願ってもない話だ。

 まだ「リサイクル」という言葉すらない時代だったが、築地市場を皮切りに、この装置と回収システムは瞬く間に全国に普及。今では市場のみならずデパートやスーパーなど、2000ヵ所以上が導入する。発泡スチロール以外の廃プラスチックにも対象を広げ、回収量は合わせて月6000トンに及ぶ。

“原料屋”ならではの知識と
ノウハウでマーケットを独占

 パナ・ケミカルのビジネスモデルが成功し、注目を集めるのは、“皆に利益がある”ためにほかならない。同社にとっては、処理機の販売と、再生したプラスチックの販売双方で利益を得られるうえ、原料を安定的に確保できる。装置は普及機で700万~800万円、処理能力の高い大型機となると1億円以上もするが、廃材の買い取りにより「1年半~2年で元が取れる」ため、導入に当たっての抵抗も低い。実際に「展示会で見た」「他の市場から薦められた」と、客の側から求められることが多く、「営業力もさほどいらない」という。

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