悠仁さまの進学先として
学習院がふさわしくない理由

 英国王室でも、将来の国王が高い知的水準の学友を持つことが重視されている。チャールズ国王は、父親の卒業したスコットランドの寄宿校で学んだが、生徒の質に問題があったとされ、ウィリアム王子はイートン校(慶応義塾普通部か麻布中学校・高等学校あたりのイメージ)を選んだ。

 チャールズ国王は、2年ほどケンブリッジ大学で学び、ウィリアム皇太子はスコットランドのセント・アンドリュース大学(北海道大学のようなイメージ)とケンブリッジで学んだ。

 悠仁さまも本当は教養課程だけ東京大学で学ぶというのが最適なのだが、日本ではそういう学び方はあまりしないのが難点だ。

 それに、入学試験を突破しても、東京大学、特に理科系では、理一と理二という大くくりで選抜し、教養課程での成績で学部学科が振り分けられる。また、日本の大学は入り口は狭いが出口は広い「ところてん方式」とやゆされるが、東京大学については進級も簡単ではない。

 そうなると、帝王教育や公務もあるなかで勉学に過度の時間を取られるし、進路振り分けで忖度があったと言われたり、もしくは留年でもしようものなら、情け容赦なく笑いものにされたりすること必定で、現実的なデメリットも大きい。

 では、学習院大学がいいのかといえば、そうではない。高校についても、かつての学習院高等科には、かなりの優秀な人材がいて、東京大学にも進んだし、各界での指導層になった。しかし、今年度入試では東京大学合格者はゼロだし、早慶も少ない。

 一方、筑波大学附属では上位の2割くらいなら東京大学に合格しているし、平均的な学生でも早慶クラスに合格しているため、ご学友として程よい水準とバラエティーといえるだろう。筑波大附属の生徒は学習院クラスの偏差値の大学にはほとんど進まないから、悠仁さまが、自分と同レベルの学力の学生がいない大学に進むのは適切とは思えない。

 前述の週刊誌の記事では、昆虫学を学ぶのには東京農大がいいのではないかという説が書かれているが、専門の研究だけをするためならともかく、そうでないのであれば、やはり適切とは思えない。