「29年生まれの午年の会、3カ月に1回やりましょう!」

 会議室なのに大盛り上がり。私はその午年の会がすごく楽しみになりました。

 同時期にある番組で、フランス料理でお馴染みの三國清三シェフと対談しました。その際にプロフィールを見ると、29年生まれ。「同じだ!」と驚き、午年の会の話をして「この会に入りませんか?」と尋ねたら、三國さんは「じゃあうちの店でやりましょう」と。

 その後は三國さんの店が会場になり、三國さんが料理を振る舞ってくれることになりました。

「実は、これこれこうで……」と言うと「それ、わかるわかる!」とか「そういうのはあまり考えなくていいですよ」と言い合える。しかも3カ月に1回だから、必要以上に群れるわけではないし、相手に深入りすることもない。そんな会だったからこそ、居心地が良かったんでしょう。

 その後、安倍さんが本当に総理(第1次安倍内閣)になった後も、会は続きました。午年の会のおかげで、私はだいぶ救われましたね。元々、悩みや苦しみを他人に打ち明けることはほとんどなく、自分で解決方法を見つけるタイプでした。ただ更年期にはひとりでは解決できない、精神的な苦しみがありました。当時はまだヨガを始める前でしたから、悩むと心がかなり長いこと不安定になっていました。

 業種や立場は違えど同い年の20名が「これから自分はどうすればいいのか」という50代ならではの悩みを抱え、次のステップへ行く方法を模索している。

「みんな、同じことで悩んでいるんだなあ……」

 そう思い至ったことで、肩の力が抜け、前向きになれました。みんなと会って話すとほっとするんです。生まれも育ちも業種もまったく違うからこそ、同じ職業の人には絶対に言えない悩みや気持ちを吐露できる間柄になれました。

 更年期症状は誰にでもあるものだと思います。また、誰しも人生で思い悩む時期がある。もちろん時間が解決してくれる側面もありますが、鬱々とした時こそ、積極的に外に出て人と会うといいのかもしれません。もしもその人も同じことで悩んでいると気づけたら、ひとりじゃなかったと、心から安心できますから。