糖尿病と診断されたら要注意!下肢切断リスクが高い人に共通する要因とは?糖尿病患者で下肢切断リスクが高い人に関連する因子とは?(写真はイメージです) Photo:PIXTA

糖尿病患者の下肢切断に
関連する因子を特定

 糖尿病と新規診断された患者では、喫煙や身体活動量の少なさに加えて、高齢、男性、離婚などが下肢切断(lower-limb amputation;LLA)の潜在的リスク因子である可能性が明らかになった。オレブロ大学(スウェーデン)のStefan Jansson氏らが行った研究の結果であり、詳細は欧州糖尿病学会年次総会(EASD2023、10月2~6日、ドイツ・ハンブルク)で発表される予定。

 糖尿病患者はLLAリスクが高いことが知られているが、そのリスク因子は十分に明らかになっているとは言えない。これには、LLAが糖尿病の主徴である高血糖だけでなく、合併症である血管障害、神経障害、易感染や、年齢、罹病期間、喫煙習慣、居住環境(同居者の有無)、医療環境など、さまざまな因子が関与して発症・進行することが一因として挙げられる。これを背景としてJansson氏らは、検討対象を糖尿病と新たに診断された集団に絞り込み、人口統計学的因子、社会経済的因子、生活習慣関連因子、および医療介入時の臨床評価指標を考慮して、LLAリスクを検討した。

 研究には、スウェーデン全体の医療情報が登録されている国家レジストリが利用された。2007~2016年に同国内で新たに糖尿病と診断され、LLA既往のない18歳以上の患者を、LLA施行、移住、死亡、または2017年の最終追跡日のいずれかの最も早い日まで観察を継続。欠損データが40%を超える症例を除外し、6万6,569人を解析対象とした。