維新の会は「セイコーマート」に学べ!田端信太郎がぶち上げるワケ

「政党を経営する」をコンセプトに、経営者時代のノウハウを政党運営に生かして注目される日本維新の会幹事長の藤田文武さんと、リクルート、ライブドア、LINE、ZOZOで数々の新規事業を仕掛け、ビジネスインフルエンサーとして若い世代に影響力のある田端信太郎さんによる異色の対談。後編は、大阪から全国展開をめざす藤田さんの戦略について、田端さんがマーケティング視点からのユニークな指摘が飛び出しました。(司会・構成/新田哲史、編集/ダイヤモンド社 宝金奏恵、撮影/武藤裕也)

※対談の収録は9月下旬に行いました。

>>前編『「身を切る改革」大阪以外でウケる?田端信太郎が維新にズバッと直言』はこちら

維新は自力で政権を取れるのか?

田端信太郎氏(以下、田端) 最近、自民党の「国政政党」としての幅の広さを感じたのは、福島の処理水放出の安全性アピールで、小泉進次郎さんが現地の海でサーフィンをやってのけたことでした。

藤田文武氏(以下、藤田) 先日、小泉さんと昼飯をご一緒したんですよ。僕が「焼けてますね。さすがサーファー」と言ったら地域活動で「お祭りを回っているから焼けた」とおっしゃってましたが、サーフィンは本当にお好きみたいですね。

田端 僕もサーフィンをやるんですが、映像を見る限りは、進次郎さんはめちゃくちゃうまいわけではないけれど、一定の水準で乗りこなせています。だから全国のサーファーはあれを見て「あれはただの思いつきじゃないな」と思うでしょうね(笑)。

 あの件で何が言いたいかというと、進次郎さんは“サーフィン族議員”なんですよね。業界団体としての日本サーフィン連盟がサーフィン大会を福島で開催して復興を応援しようとロビイングしていて、進次郎さんも自民党内でサーフィン議連を立ち上げられています。サーファーって陳情とかしなさそうなのにきちんとやっていて、自民党もきちんと対応しているんですよね。

藤田 自民党には張り巡らせた人脈やノウハウは間違いなくあります。

田端 マーケティング調査で、顧客のロイヤルティーを数値化する「NPS(Net Promoter Score)」という指標があるんですが、自民党のすごいところは、10段階のうち「まあまあ」の6くらいの満足度を、満遍なくいろんな人から支持を集めているところだと思います。ある意味、日本国の「社会インフラ」になっています。

藤田 ただ、“維新風”にあえて言わせてもらうと、やっぱり自民党は“江戸幕府”なんですよね。だからこそ僕らは新しいものは作らないといけないと思います。

 ただし、この30年の歴史を振り返っても、昔の細川政権だったり、民主党政権だったり、この10年でいえば、旧民主党が共産党と組んだりとか、組み合わせの議論ばかりで、もうそれは捨てるべきだと思います。1年2年で政権は取れない。でも政党としての地力をしっかりつける、創業してすぐ上場が難しいのと同じでしっかりした組織を作って育てていきたいと思い、党改革を進めています。