彼女は、会社が9時から17時に出社を求めることがクレイジーだと、文句を言っている。

 家賃が高すぎるので会社の近くに住むのは無理で、朝7時半には電車に乗らねばならないし、帰ると18時15分にはなる。すっかり疲れて、シャワーを浴びることも、ゆっくり夕食を摂ることもできないし、運動もできない。そして、一体いつ男性とデートできるのか。テレワークなら、ぴったり17時に仕事を終えて時間が使えるのに。これ以上働くのでは退職するしかない。感情的になり過ぎだと思うかもしれないけれども、そう思われても結構だ、とまくし立てている。

写真:BRIELLEさん9~17時出社はクレイジーだと訴えるBRIELLEさん(@brielleybelly123) 写真:本人のTikTokより

 読者は、彼女の考えをどう思われるか。SNS上では、共感する意見がやや多いようだが、賛否はほぼ拮抗している。

コロナ禍の副作用
「時代短縮効果」

 20年初頭から22年まで猛威を振るった、いわゆるコロナ禍には、われわれの生活や意識に大きな影響を与えて、社会変化の時間を早めるような「時代短縮効果」があった。

 景気循環で言うと、先進各国の経済は20年初頭に猛烈な落ち込みを見せ、その後、金融・財政両面の大規模なコロナ対策の影響で急激に景気は回復し、通常なら10年くらい掛かって行われる景気のワンサイクルが、2~3年で終了した国が多かった。