この人たちの移動動機を独自にアンケート調査した結果によると、大きく2つの動機に分けられる。1つは52%と最も多かった「通勤・通学のアクセスを良くするため」だ。この理由を挙げた人は複数回答可の「その他」の理由が少なく、累計しても38%にしか達しないので、時間がかかることが最も大きな理由であると思われる。

 これに対して、アクセスを理由にしなかった人は「親元を離れたかったから」が37%、「一人暮らしに憧れていたから」34%、「実家では暮らしたくない理由があるため」「一人で暮らしていける生活力を身につけたいから」が28%ずつとなる。

 これらには重複があるので、それを除いて累計すると81%に達する。これに「都会に住みたかったから」「友人・異性と自由に付き合いたいから」「結婚・同棲前に一度は一人暮らししておいた方がよいと感じるため」を加えると、累計91%に達する。つまり、一人暮らしした人の半数は主たる理由が交通アクセスだが、半数は実家から出たいことが先んじているのだ。

家賃高騰にうまく
対応する二つの方法

 先ほどの国勢調査で見たこの5年の傾向が今後も続くと仮定すると、20代・30代の借家世帯主になる人は増えることになる。それだけ賃貸住宅が必要になるが、ストック数はあまり多くはない。これほどまでに実家から世帯が分離しながらも、家を買うには高過ぎる環境はこれまでになかったからだ。こうして、賃貸住宅市場の需給はひっ迫し、家賃高騰が本格化することは必至の状況にある。

 これに対して、うまく対応する方法は2つある。1つは高くても家を買うことだ。日銀総裁の発言から金融緩和はしばらく続きそうであり、価格は今後も上がるので、キャピタルゲインが得られ、損する可能性は少ない状況下にあるからだ。

 もう1つは、賃貸に住むなら普通借家契約を結ぶことだ。世帯構成が変わって引っ越さなければならない場合を除き、家賃の値上げを回避することができる。普通借家契約ではない定期借家契約になると、契約更新時に大幅な値上げが行われたりと、オーナーが有利な状況での交渉となるからだ。これらのことに注意して、今後の住居費高騰に備えて欲しい。

(スタイルアクト(株)代表取締役 沖 有人)