━━起業を志して、SNSをビジネスに役立てようと思って始めたのでしょうか。
起業のためにSNSを始めたわけではありませんが、30歳までに起業家になろうと決めていました。
2008年の秋から、サラリーマンをやりながらデジタルハリウッドに通い、将来起業するときの仲間をつくろうと考えました。その当時、京都錦市場商店街のホームページのリニューアルをデジハリの生徒で請け負うという企画があり、その統括を担当しました。
普通にホームページをつくってもおもしろくないから、商店街のお店全部にTwitterをやってもらうという企画を立てたんです。そのときの様子が、「商店街をTwitterで活性化」というテーマで『ガイアの夜明け』というテレビ番組に取り上げられました。そのタイミングで僕も本格的にTwitterを始めました。
━━その後、2010年12月に起業準備も兼ねてシリコンバレーに行くことを決め、ブログも開設されたんですよね。
2010年の夏ごろに起業準備を始め、いろいろな起業家の話を聞きにいったんですが、ディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長の講演が特に印象に残りました。
当時南場さんは日本とシリコンバレーを行き来していて、日本のベンチャーとシリコンバレーのベンチャーは全然違うと気づいたそうなんです。シリコンバレーではアメリカ人だけで会社をつくる事例はほとんどなく、いろいろな人種・国籍の人たちが集まっていると。だからこそ最初からマーケットがグローバルなんだと。
「これから起業する君たちは日本人だけでチームをつくってはダメだ。多国籍軍をつくりなさい」と、南場さんは講演でおっしゃっていました。その言葉がすごく響いて、「自分もシリコンバレーに行こう」と決めて立ち上げたのがブログ「Like a Silicon Valley」です。ブログにも書いたとおり、当時シリコンバレーにはまったくツテはありませんでした。ただ、これを書いておくことが将来的に何かのストーリーになるんじゃないかと思ったんです。
目的を求めず、呼吸をするようにTwitterをする
━━ツテがなくても「行くよ」と先にブログで宣言してしまうのもアリだなと思います。何かリターンを得るために情報発信をするわけではないというか。土屋さんの過去のツイートでも、「Twitterをやることに理由を求めてはダメ」と書かれています。
今日、友人からTwitterをはじめようか迷っていると相談されたのだが、彼に送ったアドバイス
— 土屋尚史 / Goodpatch (@tsuchinao83) May 9, 2020
「Twitterをやることに理由を求めてはダメ。ただ呼吸をするかの様にツイートするだけ」
TwitterにWhyなどないのだよ。
強いて言うなら「なぜつぶやくかって?そこにツイートボタンがあるから」
Twitterは僕にとっては本当に「呼吸」なんですよね。個人的に相性がよかったんだと思います。僕のTwitterはオープンで、裏垢や鍵垢も一切ないんです。Twitterは他者への好奇心が強い人にとってはいいツールだと思います。僕はTwitterというツールによって人生が変わったと言っても過言ではないと思っています。自分の視点になかったインプットがTwitterによってもたらされているし、人生を豊かにしてくれるツールです。