通行止の柵写真はイメージです Photo:PIXTA

からだが日々の食べ物から作られるように、こころは「言葉」で作られている。こころが傷ついても自然治癒させる「こころの免疫力」すなわち自己肯定感を高めるには、きちんとした栄養となる言葉を摂取することが大事。ネガティブな言葉をなにげなく使ってしまう生活習慣をあらためて、ポジティブな言葉を口ぐせにしてみよう。※本稿は、中島 輝著『口ぐせで人生は決まる こころの免疫力を上げる言葉の習慣』(きずな出版)を一部を抜粋・編集したものです。

自分のこころに正直な肯定語への
言い換えで目の前の景色が変わる

 いい口ぐせとはどんなものなのか?順番に紹介していきましょう。

身につけたい口ぐせ「肯定語を多用する」

「否定語はこころのブレーキ」とすれば、では、こころのアクセルとなる言葉は何か。答えはもうおわかりでしょう。否定語の反対、肯定語です。

 肯定語をたくさん使うこと。これはもう、いい口ぐせの大前提になるような、とても大切なポイントです。肯定語とは、成功をイメージさせる表現や、受容を示す言葉。簡単に言えば、ポジティブな言葉です。「できる」「大丈夫」「OK」「なんとかなる」などが肯定語の代表格になります。

 たとえば、あなたが学生で、期末テストを目前に控えているとします。ふつうは「テスト近いしヤバい、勉強しなくちゃ」といった、自分を追い詰める言葉が頭に浮かびます。これは否定語です。拒否や排除を示す言葉だけでなく、このように義務感を生み出す「ねば」「べき」などもネガティブな言葉と言えます。

 もし、このときの気持ちを肯定語で表そうとするならば、「今回のテストでは学年で20番以内に入りたい!だから勉強しよう!」という肯定的な言葉を言う。

 こうした言葉を発することで、勉強が「義務」ではなく、「自分の望みを叶えるための手段」になります。つまり、勉強をする動機が生まれるのです。

 テスト勉強をしなければならないという状況に変わりはありませんが、どちらの言葉を使うかでモチベーションはまったく変わってくるはずです。

 さらに、「20番以内になりたい!」と具体的に目標を掲げることで、イメージの力も働くでしょう。ただ勉強をするよりも、現実を変える可能性が上がるはずです。

 ただし、注意してほしいこともあります。それは、すべてをポジティブに変換しようとするあまり、八方美人になってしまうこと。

 たとえば、度を越えたサービス残業を求められたり、無茶なスケジュールで仕事をふられたりしたときにも、「OKです!」と肯定語で受け入れる。これは自分のこころに嘘をついている状態ですし、何よりからだを壊しかねません。