眼科医が警告する 視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと写真はイメージです Photo: PIXTA

現代人の8割が症状を訴えるドライアイ。スマホやパソコンなどデジタルデバイスの常用で、まばたきの回数が減っていることや、ストレスフルな生活が要因だという。数々のメディアで活躍する眼科医が改善策を提案する。本稿は、平松 類『眼科医が警告する 視力を失わないために今すぐやめるべき39のこと』(SB新書)の一部を抜粋・編集したものです。

目薬だけでドライアイの解消は困難
点眼効果の持続はせいぜい30秒

 ドライアイの人は、目の乾きがつらくて、頻繁に目薬を差したくなるものでしょう。ドライアイ用のものならば、目薬がドライアイ解消の有効策の一つであることは確かです。ただし「最善策」かと問われると、そうとはいえません。

 目薬がドライアイ解消の最善策ではない、その理由は2つあります。

 まず1つめは、市販の目薬の効果の持続時間はせいぜい30秒程度だからです。つまり、ドライアイを目薬だけで改善しようと思ったら、30秒ごとに目薬を差し続けなくてはいけません。これは現実的ではありませんね。

 しかも防腐剤入りの目薬だったら、30秒ごとに薬液と一緒に防腐剤も目に入れることになり、かえって目にダメージを与えることになってしまいます。目薬の適切な使用法が「1日に4~6回」とされているのは、そのためなのです。

 ちなみにドライアイ対策として目薬を使用したいのなら、市販の目薬を買うのではなく、眼科で処方してもらうことをおすすめします。

 市販の目薬にも「ドライアイに効果的」とうたっているものがありますが、ハッキリ言って、成分的にあまり高い効果は期待できません。効かないものを頻繁に差し続けるよりも、きちんと効くものを適切に使用することが一番の早道なのです。

 さて目薬がドライアイ解消の最善策ではない2つめの理由は、ドライアイの原因は涙の「量」よりも「質」にあるといえるからです。