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かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史

ブライアン・メイ(クイーン)が1986年に作曲、
本田美奈子さんのロックとバラード2曲の秘密

坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]
【第23回】 2013年3月22日
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本田美奈子さんが2002年11月に編集して日本コロムビアの岡野博行さんに渡した研究用MD9枚102曲を連載第22回で紹介した。解説の残り1曲はMD⑤-6.サラ・ブライトマンの「Who Wants To Live Forever」である。この曲は英国のロックバンド、クイーンのカバーだ。サラ・ブライトマンはこの曲をシングル盤として1997年に発売し、同年中にアルバム「Time To Say Goodbye」に収録している。

クイーン、サラ・ブライトマン、本田美奈子

ブライアン・メイ作詞作曲、本田美奈子「CRAZY NIGHTS / GOLDEN DAYS」日本盤12インチ・シングルのジャケット(A面とB面、東芝EMI、1987年4月22日)

 クイーンは1973年にEMIからレコード・デビューした。2013年で40周年である。70年代から80年代を通して文字通り世界中でもっともレコード(CD)が売れ、ライブも東西欧州、南北アメリカ、そして日本で膨大な聴衆を集めたバンドである。ハードロック、ヘビーメタルからバラード、ラテン、クラシックのオペラや混声合唱曲風の楽曲まで、実に多様な作品を世に送り出している。年月を経て変遷したのではなく、同時に作っていた。

 クイーンの音楽的な特徴や来歴については、ダイヤモンド・オンラインの連載「今週の音盤 心のビタミン」第51回で小栗勘太郎さんが書いておられるので、ぜひお読みいただきたい。

 この世界的なロックバンドのメンバーはブライアン・メイ(ギター、1947-)、ジョン・ディーコン(ベース、1951-)、ロジャー・テイラー(ドラムス、1947-)、フレディ・マーキュリー(ピアノ、リード・ヴォーカル1946-91)の4人で、ともに作詞作曲家であり、4人全員が英国のシングル盤ヒットチャートで1位を獲得している。中でもフレディ・マーキュリーとブライアン・メイの作品が多い。

 フレディ・マーキュリーが91年11月に亡くなってからは当然のことながらオリジナルメンバーの活動はない。ジョン・ディーコンはすでに音楽界から引退している。しかし、ブライアン・メイとロジャー・テイラーの2人は「クイーン」のまま現在も活動を続けている。

サラ・ブライトマンがブライアン・メイ(クイーン)の「Who Wants To Live Forever」をカバーし、シングル盤で発売(Coalition、1997)

 サラ・ブライトマンが97年にカバーした「Who Wants To Live Forever」(「永遠に生きることを誰が望むのか」)はブライアン・メイの作品で、1986年に発表されている。原曲はホ短調(Em)、ゆったりしたバラードでシンフォニックに仕上がっている。リード・ヴォーカルはフレディ・マーキュリー。

 クイーンはこの曲で初めて本物のオーケストラを入れたそうだ。CDを聴くとオケの音色は電気的に変えているが、弦の厚みはわかる。アルバムには器楽のみの演奏も収録されている。ピアノと管弦楽のクラシック風なアレンジだ。

 サラ・ブライトマンは「Who Wants To Live Forever」をイ短調(Am)に変えて最高二点ト(hi G)を美しく伸ばす。サラ盤はロンドン交響楽団の伴奏でゴージャスだ。

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坪井賢一 [ダイヤモンド社論説委員]

1954年生まれ。78年早稲田大学政治経済学部卒業後、ダイヤモンド社入社。「週刊ダイヤモンド」編集長などを経て現職。著書に『複雑系の選択』『めちゃくちゃわかるよ!経済学』(ダイヤモンド社)『浦安図書館を支える人びと』(日本図書館協会)など。


かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史

日本のポピュラー音楽の誕生をレコード産業の創始と同時だと考えると、1910年代にさかのぼる。この連載では、日本の音楽史100年を、たった20年の間に多様なポピュラー音楽の稜線を駆け抜けた本田美奈子さんの音楽家人生を軸にしてたどっていく。

「かの残響、清冽なり――本田美奈子.と日本のポピュラー音楽史」

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