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大震災から2年目の「今」を見つめて

複雑な権利関係が住宅再建の障害
一方、多様な形の復興参画が力に
――岩手県釜石市 嶋田賢和副市長

【第9回】 2013年3月25日
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震災から2年が経過したにもかかわらず、公営住宅の工事着手には至らず、いまなお被災した方々は仮設住宅に居住している。誰のせいで遅れているのかといった犯人捜しをすればすむというほど、復興は単純な話ではない。住宅に関しては、用地交渉など個人の権利に関わるものも含めた複雑な手続きを進めている最中である。復興の過程で起こっている、こうした現状を広く知っていただきたい。さらに、ぜひ実際に現地に足を運び、地域と全国とで協働する取り組みなど、復興のありのままの現場を見ていただきたい。

住居の工事着手は
整備予定総数の1割強

 釜石市は、大船渡市・陸前高田市と同様に、岩手県の三陸沿岸に位置する地方都市です。近代製鉄発祥の地として近代日本を牽引し、近年は人口減少・少子高齢化と向き合ってきた人口4万人弱の当市ですが、震災により899人の釜石市民が亡くなり、いまだ152人が行方不明です。市全体の3割にあたる約4700戸の家屋が被災し、市全体の6割にあたる約1400事業所に浸水の被害がありました。

 現地では、今なお、被災した方のほとんどが仮設住宅に居住しています。「一刻も早く仮設ではない普通の家に住みたい」との切実な思いに応えるべく、これまで、災害公営住宅などの住まい確保に向け全力を注いできましたが、残念ながら、工事着手に至っているものは、整備予定総数である約1600戸の1割強である225戸で、その他多くについては、工事以前の設計・測量・土地造成・用地交渉のいずれかの段階です。

釜石駅前の町並み(沿岸部である左側が被災)(左)、立ち並ぶ仮設住宅外の外観(右)
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 この3月で東日本大震災から丸2年が経つ。被災地の報道も極端に少なくなり、当時、固く誓ったはずの「絆」「被災地に寄り添う」と言った言葉も、なぜがむなしく響く。復興はどこまで進んだのか、明日に向かうための課題は何か、そして忘れされれつつある事実はないのか。震災後2年目の「今」を見つめ直す。

「大震災から2年目の「今」を見つめて」

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