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山崎元のマネー経済の歩き方

金融マンの報酬とバブルの関係

山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]
【第269回】 2013年3月25日
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 欧州連合(EU)は、銀行員のボーナスに上限をつける制度を導入するという。基本的に、ボーナスは年間給与(ベースサラリー)と同額までとして、銀行の株主の過半数の承認があれば、2倍まで許容する、という内容になるようだ。EUは、まだ決まったわけではないが、投機取引を抑える方法として金融取引税の導入も検討しているという。

 外資系の投資銀行マンがベースサラリー2000万円、ボーナス8000万円といった構成で報酬をもらっていたとすると、同額の年収を得るためには、ベースサラリーを5000万円に増額しなければならない。

 金融関係の人材を扱うヘッドハンターに話を聞くと、外資系の会社では、かつてよりもベースサラリーを高めに設定する動きがすでに始まっているようだが、これが高給取りの外資マンリストラの一因になっているという。

 毎年、絶対に前年と同等ないしそれ以上に稼げる社員なら問題ないかもしれないが、会社から見るとベースサラリーは固定的に払うコストなので、コスト削減を考える場合に、ベースサラリーの高い社員から目を付けられやすい。

 筆者は、かつて外資系証券会社で働いていたときに、「外資系では、ベースを低めに抑えておいて、ボーナスで稼ぐのがいい」という趣旨のアドバイスを何人かから聞いたことがある。

 もっとも、規制をくぐり抜けて利益を得ることにかけては努力を惜しまない金融マンたちのことだ。会社を分けるとか、子会社の株式の形で利益を得るとか、あるいは、何らかの年金や金融商品の仕組みで実質的にボーナスをもらうとか、上手な抜け穴をすぐに開発するだろう。例えば、トレーダーがヘッジファンドの会社に移って、そちらで高額な報酬を得ることが、すでに行われている。

 金融マンの報酬を規制することは、大衆の嫉妬に迎合した愚策のようにも見えるが、バブルが起こる仕組みを考えると、「急所」の一つを突いている。

 バブルとは「長期的に維持できない高過ぎる資産価格が形成される現象」だが、その背後には信用の膨張を伴うことが多い。1980年代に日本で起きたバブルでは、不動産への過剰融資と、借り入れを伴う財テク運用が背後にあった。サブプライム問題に端を発した世界的金融危機でも、米国、欧州の両方で主に不動産に対する過剰な信用膨張があった。

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山崎 元 [経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員]

58年北海道生まれ。81年東京大学経済学部卒。三菱商事、野村投信、住友信託銀行、メリルリンチ証券、山一證券、UFJ総研など12社を経て、現在、楽天証券経済研究所客員研究員、マイベンチマーク代表取締役。


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12社を渡り歩いた資産運用の現場に一貫して携わってきた視点から、「資産運用」の方法をどう考えるべきか懇切丁寧に説く。投資家にもわかりやすい投資の考え方を伝授。

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