スズキの鈴木俊宏社長こそ2024年の「推しトップ」だ!カリスマ経営脱却の重要な1年にスズキの鈴木俊宏社長は今年で就任10年目を迎える。その体制は盤石になってきた Photo:Tomohiro Ohsumi/gettyimages

自動車業界で今年注目すべき人物は
スズキの鈴木俊宏社長

 某自動車雑誌から新年号の「2024年クルマ界展望」企画で「24年、注目人物はこの人だ!」という人を挙げてもらいたいとの原稿依頼が年末に来た。筆者がこれに応じて今年自動車業界で注目すべき人物として推したのが、スズキの鈴木俊宏社長だった。

 なぜ、鈴木俊宏社長をこの24年の注目すべき人として推したのか。

 言うまでもなく、スズキには40年以上にわたって同社を率いてきたカリスマ経営者の鈴木修氏のイメージが強く染み付いている。「浜松の中小企業のおやじ」を自称しながら国内で軽自動車ジャンルを育て上げ、当時誰も注目していなかったインド市場を開拓し圧倒的なシェアを確立させたのが“スズキ中興の祖”である鈴木修氏だ。「小・少・軽・短・美」を経営理念に掲げてカリスマ経営者として名をはせてきた鈴木修氏には、かの豊田章男トヨタ自動車会長も経営者としてリスペクトし慕っているほどである。

 だが、その鈴木修氏は21年6月にスズキの会長と代表取締役の立場を降りて相談役となり、経営の第一線から引いた。

 鈴木修氏の後を受け継いだのが、長男の鈴木俊宏氏だった。