回収できない人生のイベントは多い
失敗はしても後悔なく生きる

 18歳の時に大学進学しなかったことがずっと引っかかっていて、自分自身を納得させたかった。私、頑固なところがあって、世の中の誰よりも私自身を納得させるのが一番難しいんです。

 めもつんさんのお話に戻ります。不確定な要素がたくさんありますね。挑戦した方が絶対に環境が良くなる保証はないし。今のまま環境を変えないなら、会社の先輩を見ていると自分の未来の姿が想像できてしまう。

 自分より5年先輩が生き生きした顔で仕事をしているか。私生活は充実していそうか。そんな生活を自分が5年後していたいかどうか。

 世の中に大きな影響を与える仕事、大きいとは言えない仕事、本当に立場によって様々ですよね。カウンセリングをしていると、「お客様から直接ありがとうって言ってもらえる職業に転職したい」とか「インフラ系の仕事をしていて、皆さんの生活を大きく支えているはずなのに、誰も自分たちの存在を意識していない」などといったお話を聞きます。

 会社に入る前に抱いていた理想と現実との違い。昔からの夢だった職業に就けて幸せなのかと思いきや、夢だったからこそ実際に現場で生じるガッカリ感が大きいこともあります。

 確かなのは、「挑戦しなかった後悔」は消えるだろうな、ということです。先ほど書いた通り、人生ある程度の分岐点を進んだら、もう回収できなくなってしまうイベントがたくさんあります。

 私は今からアイドルにはなれないし、不可能ではないにしても今の気力では、医師とか宇宙飛行士とかにはなれない。今27歳ですが、同世代の間では結婚や出産について、それに伴う働き方の変化について話題に上がります。

 最終的に決めるのはめもつんさんご自身。おっしゃる通りです。考える上で材料が一つでも多い方が良いなら、私個人の経験から「人生の責任は自分自身にある」という第三者の意見も参考までにお伝えしてみます。

 アイドルを辞めたタイミングも、心理カウンセラーへの道に進むと決めたのも、全部私の意思です。誰も責任を取ってくれません。だからこそ好き勝手に生きていけて、今のところ失敗はあっても後悔はありません。