「スマホゲームはダメだけど、ボードゲームなら良し」は間違いだった。頭が良くなるとされてきたボードゲームよりも、スマホのシューティングゲームのほうが子どもの認知能力のアップには効果があることがわかった。本稿は、星 友啓『脳を活かすスマホ術――スタンフォード哲学博士が教える知的活用法』(朝日新書)の一部を抜粋・編集したものです。

ボードゲームの愛好者は
そもそも高学歴の人たち

 スマホゲームとボードゲームの違いについて、興味深い研究があります。「スマホゲームはダメだけど、ボードゲームなら良し!」

 そういう意見を耳にしたことはないでしょうか?

 スマホゲームは子どもにあまりやってほしくないが、チェスや囲碁・将棋なら論理力のトレーニングになりそう。そんな親御さん。

 スマホは悪影響が怖いから控えるが、趣味の将棋は頭の体操でボケ防止になるからいくらやってもいいだろう。そんなリタイア組。

 スマホゲームはダメ。一方で、ボードゲームは頭を使うし、論理力や記憶力、さらに、集中力、空間認識力、思考の柔軟性がアップする。

 そうしたイメージがこれまではびこってきました。

 しかし、最近の研究が明らかにしたのは、真実はその真逆であること。実は、認知能力のアップは、スマホゲームには期待できても、ボードゲームには期待できないということがわかってきたのです。

 ボードゲームをやることの効果は、以前から心理学などで研究されており、ボードゲームをたくさんやっている人の認知能力が高いということを示す報告がいくつか出てきていました。

 ところが詳しく調べてみると、ボードゲームを好んでやっている人は、おしなべて30代から40代で、高学歴の傾向があるということがわかってきたのです。

 つまり、「ボードゲームをやっている人たちが頭が良い」という結果が出たのは、「もともと頭の良い人たちが、好んでボードゲームをやる傾向があった」からだったわけです。

 実際、年齢と学歴の影響をなくしてみると、ボードゲームをやればやるほど認知能力が上がるという効果は確認されなかったのです。

 一方で、スマホゲームはその逆。スマホゲームをやるといろんな認知能力が実際に上がっていくことが明らかにされています。しかも、その効果は年齢や学歴に関係ありません。

 確かに親としては、チェスや囲碁・将棋をやってくれていた方がなんとなく安心、という人もいるかもしれません。

 しかし、本当のところは、ボードゲームをするか、それともスマホでシューティングゲームをするかで言えば、シューティングゲームの方が子どもの認知能力には良いというのが科学が出した答えなのです。