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【滋賀県】 妙なプライドは持たず開放的で情報が早い

都道府県データ:Vol.22

岩中祥史 [出版プロデューサー]
【第22回】 2010年1月4日
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 古代の日本は、今の北海道と沖縄を除く全国を「五畿七道」というふうに区分していた。このうち「五畿(畿内)」とは山城国、大和国、河内国、和泉国、摂津国の五つ、今の行政区分でいえば大阪府・奈良県の全域と、京都府の京都市周辺、兵庫県の神戸市周辺を指している。要は、都に近いエリアのことである。滋賀県は「五畿」にこそ含まれていないが、そのすぐ隣にあり、早くから開けていた。しかも、首都(=大津京)が置かれた時期もあるから、その経験のない河内や和泉よりはよほどあか抜けたところがある。

 海がないとはいっても、海と見まがうほど大きな印象を与える琵琶湖があるせいか、滋賀県人は総じて開放的で気さくである。それと、東海道・北陸道・中山道の三つが交わる交通の要衝でもあったから、情報の早さという点では、下手をすると京都や大阪をもしのいでいた。

 そうしたことから、この県は商才に長けた人を多く出している。それが「近江商人」で、江戸時代など、遠く東北地方にまで行商に出ていた。現地に住みついた者も少なくないという。これは、長く都の置かれていた隣の京都と違って、古くからの伝統にとらわれず、妙なプライドにも毒されていない近江商人のフットワークの軽さを余すところなく物語っている。また、勤勉で実直、信仰心が厚くストイックな一面もある。

「琵琶湖のアユは外で大きくなる」
優れた才覚に恵まれた者ほど故郷を離れる

 そうしたことを通じて培われてきた、ある意味での普遍性は今でも息づいているようで、滋賀県は現在、全国で最も人口増加比率が高い。ただ、それだけの普遍性をこの地だけで“収容”するには、地域があまりに狭すぎるのもまた事実のようだ。「琵琶湖のアユは外で大きくなる」という言葉もあるように、優れた才覚に恵まれた者ほど故郷を離れ、全国、さらには世界へと雄飛していった。

 そんな滋賀県人を相手にしたときは、隣の京都と比べながら持ち上げるといい。「ホンネを明かさない京都の人より気持ちよく付き合えますね」「場所柄、情報が早いですね」などと言われると、それこそとっておきの情報をもたらしてくれそうである。


◆滋賀県データ◆県庁所在地:大津市/県知事:嘉田由紀子/人口:140万1853人(H21年)/面積:4017平方キロメートル/農業産出額:586億円(H19年)/県の木:モミジ/県の花:シャクナゲ/県の鳥:カイツブリ

データはすべて、記事発表当時のものです

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岩中祥史 [出版プロデューサー]

1950年、愛知県生まれ。東京大学文学部卒。出版社に勤務後、独立して編集企画会社エディットハウスを設立し、現在、代表。著書に、最新刊『日本を変える「名古屋脳」』(三五館)、『アナログ主義の情報術』(梧桐書院)、『出身県でわかる人の性格』『札幌学』、『博多学』、『名古屋学』(新潮文庫)などがある。各県の気質を調査した、現代県民性評論の第一人者。

 


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