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アマゾンの書評SNS「グッドリーズ」買収話を
読書家たちが歓迎しない理由

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第239回】 2013年4月5日
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 アマゾンが読者コミュニティサイトのグッドリーズ(Goodreads)を買収するという。

 グッドリーズは2003年に創設されたサイトで、読書好きの人々が書評を公開し合ったり、バーチャルな読書会を開いたりする場所になっていた。業界用語でこうしたサイトを「ソーシャルリーディング・サイト」と呼ぶのだが、グッドリーズは数あるソーシャルリーディング・サイトの中でも勝ち残ったもので、現在1600万人もの登録ユーザーを抱える大所帯だ。

 グッドリーズは当初、ブックディスカバリーに役立つサイトとして構想された。ブックディスカバリーというのは、ある本を気に入った読者が、「こんな本をもっと読みたい」と思った時に、同じようなタイプの本を簡単に見つけられるようなしくみのことだ。

 グッドリーズを共同設立したオーティス・チャンドラーは子どものころから読書家だったが、ある日友達の家で本棚を見たことがグッドリーズの設立につながった。本屋でブラブラ探すよりもベストセラーリストを見るよりも、信頼のおける友人、趣味を同じくする友人の持っている本を知る方が自分にとってよほど刺激になる。そのしくみを整えて立ち上げたのがグッドリーズだった。

自分の本棚をバーチャルで公開
共通の本を通じて他のユーザーと仲間に

 グッドリーズの面白い点は、まず自分の棚をバーチャルに移すことから始まることだ。持っている本をグッドリーズ上で検索して特定し、それを「読んだ本」「今、読んでいる本」「これから読む本」といった風に分類していく。そして、そこに自分が読んだ時の感想なども書き込んでいく。

 同じように本棚を作っている他のユーザーと結びついていくのは、同じ本を持っているからだ。そうすると、その人の本棚に並んでいる他の本も見たくなる。きっと、自分が読みたくなるような本があるのだろう。基本的には、そうしたしくみでユーザーたちが本棚を共有し、書評を公開しあうということがグッドリーズで成り立っていったのだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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