お金は本当は増えないんですよ。それを、お金をほったらかしで投資に回したらどんどん増える、みんな豊かになるという幻想を与えたことが、私は今の岸田政権の最大の罪だと思っています。

肉食と草食の二極化へ

康平:さっき話してきたのはマクロ的な話ですが、じゃあ個人がどうやって生きていくかというミクロの世界観で言うと、ひとつは、今の価値観はもういいやといって、地方に移住して生活費を下げ、ストレスとかプレッシャーから解放されて生きていくような生き方。これが今、リモートワークの普及などでやりやすくなっているんですよね。インフラ的には。

 もう一つはやっぱりガツガツ稼ぎたい人もいる。その稼ぎ方も、おそらくこれからAIとかが発展していく中で、そういったものを利用すれば利用するほど1人当たりの生産性は上げられるので、たくさん稼いで、いいところに住んで、承認欲求を満たすという生き方もある。その二極化だと思います。

 今までは貧困層と富裕層といった上下の二極化などが言われてきましたが、今後は肉食系と草食系みたいな二極化になると思います。そこの意思決定ができるかどうかというのが、若い人にとっては大事になってくるんじゃないかなと思います。

(構成/編集部・秦正理)

AERA 2024年3月25日号より抜粋

AERA dot.より転載