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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

インターネットには、新しい中国が出現しつつある

野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]
【第20回】 2013年4月4日
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 この連載でわれわれが進めてきた中国語の学習方法は、基本的にインターネットに依存するものであった。それは、中国のインターネット・サイトがかなり充実してきたために、可能になったものである。10年前であれば、こうした方法での学習は進められなかったろう。以下で見るように、インターネットの世界には、新しい中国が出現している。

中国のインターネットは、「リープ・フロッグ」

 中国の政府系機関である中国インターネット情報センター(CNNIC)が1月15日に発表した報告書によると、2012年末における中国のインターネット利用者は、5億6400万人に上った。これは、世界1位だ。

 第2位のアメリカが2億5000万人程度、第3位の日本が1億人弱であることと比べて、圧倒的に多い。

 普及率は、42.1%になった。地域別に見ると、都市部が72.4%に対し、農村部では27.6%に留まっている。

 中国のインターネットユーザー数が世界最大となったのは2007年のことであったが、その後も成長が続いているわけだ。全体としての普及率が5割に至らず、しかも総人口が多いのだから、今後も大きな成長の潜在力を持っていることになる。

 なお、中国の場合には、携帯電話からの利用者が全体の74.5%と、きわめて高い比率を占めている。

 中国における情報通信メディアは、「リープ・フロッグ現象」を起こしていると考えることができる。「リープ・フロッグ」(蛙飛び)とは、遅れて発展した国が、先に発展していた国よりも、新しい技術の恩恵を受けることだ。イギリスより遅れて産業革命を実現したドイツが、蒸気機関の時代を経ずに電気を利用できたことが、その例だ。

 中国は、固定電話の時代を経ずに、直接に携帯電話の時代に入った。

 メディアについても、中国は、新聞、雑誌、書籍などの印刷物を飛び越えてインターネットの時代に入ったと考えることができる。国土が広いことも、印刷物に比較した場合のインターネットの有利性を高めているだろう。

 新聞発行部数を見ると、2010年において、中国が1億1078万部に対して、日本が5043万部だ(なお、アメリカは4857万部)。インターネット利用者数では中国は日本の5倍以上であるのに対して、新聞では約2倍にしかなっていない。人口1人あたりで言えば、中国は日本の5分の1程度でしかない。これを見ても、中国がインターネットに偏っていることが分かる。

 中国は選挙のない独裁国家であるため、政治的な不満や政府批判の情報がインターネット上に現われる。このため、政府は、インターネット上の情報を統制し、管理を強化している。第1に、国外のサイトに対するアクセスがブロックされる。また、国内のサイトに対しては、「金盾工程」(金盾プロジェクト)と呼ばれる検閲活動を行なっている。

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野口悠紀雄 [早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問]

1940年東京生まれ。63年東京大学工学部卒業、64年大蔵省入省、72年エール大学Ph.D.(経済学博士号)を取得。一橋大学教授、東京大学教授、スタンフォード大学客員教授、早稲田大学大学院ファイナンス研究科教授などを経て、2011年4月より早稲田大学ファイナンス総合研究所顧問、一橋大学名誉教授。専攻はファイナンス理論、日本経済論。主な著書に『情報の経済理論』『財政危機の構造』『バブルの経済学』『「超」整理法』『金融緩和で日本は破綻する』『虚構のアベノミクス』『期待バブル崩壊』等、最新刊に『仮想通貨革命』がある。野口悠紀雄ホームページ

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中国語ができなくても大丈夫 野口悠紀雄の中国経済統計「超」読解法

多くの日本企業が中国関連事業を将来の事業計画の中核に据えている。したがって、中国に関する情報の入手はこれからのビジネスマンにとって重要な課題だ。本連載では、中国語ができなくても、中国語で中国の情報を収集するノウハウを提供する。 

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