「高級スーパーマーケットが自宅のすぐ近くにあったらいいと思うなら、家の購入額は高価格帯になる」と同銀行は説明している。だが、「ウェイトローズの新規開店が住宅価格の上昇をもたらす」という説は、単なる憶測にすぎなかった。

 ウェイトローズ(高級スーパーマーケットだけあって、商品の価格も高価格帯中心だ)側が、すでに富裕層が多い地区を狙って出店したとも考えられるからだ。つまり、逆向きの因果関係もありうるということだ。さらには、通勤に便利という理由で富裕層のあいだで人気になったことが、その地区の住宅価格とウェイトローズの出店場所の両者に影響を及ぼすといった、第3の要因も考えられる。

「山羊座は12月に亡くなりやすい」
統計職員も認めざるを得なかった

 以前、ある国会議員から英国下院図書館に、いっぷう変わった問い合わせがあった。「山羊(やぎ)座の人は12月に亡くなる可能性が高いというのは、本当ですか?」。当番の統計職員が星座別の死亡数に関するデータを調べてみると、当の国会議員が思っているとおりとなる可能性が高そうだと認めざるをえなかった。

 その理由についてここであれこれ考察したいのであれば、山羊座の人が不運にもその時期に亡くなる可能性が高い理由を、いくつか挙げるのは決して難しくない。

 たとえば、山羊座は何事に対しても責任感が強いため、絶え間なく続く仕事に加えて家族との約束も果たさなければならないクリスマスも重なる年末に、燃え尽きて亡くなってしまう可能性が高いのかもしれない。あるいは、物事を悲観視しがちな山羊座特有の性格によって、寒くて暗い年末がまた来るのかという思いにつぶされてしまうのかもしれない。

 だが、そういった理由より、「誕生日効果」と呼ばれているものが寄与している可能性のほうが高い。人間の誕生日と死亡する日には相関関係があることが、さまざまな研究で示されている。具体的には、誕生日の前後1週間のあいだに死亡する可能性が高まるという。その理由の1つとされているのは、誕生日を迎えるのが憂鬱になった高齢者や、誕生日までは「なんとかもちこたえた」が、その直後に耐え切れなくなってしまったという人々が、自殺する恐れが高まることだ。

 そのため、12月22日から1月19日生まれの山羊座の人は、12月に亡くなる可能性が最も高いといえるのかもしれない。ただし、同じ理屈を当てはめれば、私たちはみな、自分の星座と結びついている誕生月に亡くなる可能性が高いのだ。