ヤマトが「空飛ぶ宅急便」就航、社長が明かした採算ラインは「最低でも…」フレイター活用で付加価値を提供 写真:カーゴニュース

ヤマトグループとJAL(日本航空)グループは4月11日、ヤマトとして初の導入となる貨物専用機(フレイター)の運航を開始した。トラックの輸送力不足が懸念される「2024年問題」の対策となるもので、既存のトラック・鉄道による陸上輸送やフェリー輸送、旅客機の貨物スペース(ベリースペース)による輸送に加え、フレイター投入により輸送力を確保・増強するとともに、地産品などの輸送需要の取り込みも図る。まずは成田空港発など1日9便で3機を投入し、将来的にはさらなる増便や増機も視野に入れる。(カーゴニュース編集部)

*本記事はカーゴニュースからの転載です。

成田発など1日9便で就航
今夏に羽田含む13便へ拡大

 今回、ヤマトは旅客機からフレイターへとコンバージョンしたエアバスA321―200P2F型機を3機導入した。最大積載重量は28トンで、航続距離は約3000キロメートル。まず1号機と2号機を実運用に投入し、現在シンガポールで改修を進めている3号機は4月19日に成田空港へ到着を予定する。

 運航路線は、成田~新千歳、成田~北九州、成田→那覇、那覇→北九州の1日9便からスタートし、今夏をメドに羽田~新千歳、羽田~北九州を加えた1日13便へ拡大を予定。将来的には1日21便の運航体制を構築する計画にある。

 就航にあたり、ヤマトグループではヤマト運輸が配送拠点と空港間の陸上輸送、各空港の貨物上屋での貨物積み付けを担当し、JALがランプハンドリングや機体整備を担う。運航はJALグループ傘下のLCC会社であるスプリング・ジャパンが担当する。なお、エアバスA321―200P2Fの運用はJALグループとして初となる。

「2024年問題」の対応を迫られる中、ヤマトはトラック輸送の代替手段としてフレイターを初導入することで遠距離を中心に輸送力の確保につなげる。また、輸送モードの複線化により自然災害発生時のBCP対策も図る。