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China Report 中国は今

上海市民を襲う鳥インフルエンザ
怖いのは「安心して食べられる食品」がなくなること

姫田小夏 [ジャーナリスト]
【第123回】 2013年4月12日
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 患者数○人、死亡者数○人――。

 2003年のSARSの恐怖が蘇る。毎日増える感染者数、その数字が新聞の見出しとなって掲載されるのだ。さすがに怖くなってくる。大気汚染程度では頑としてマスクをしなかった上海住民も、さすがに「人から人」への感染の可能性を恐れてか、カラフルなマスクの着用が見られるようになった。

 鳥インフルエンザウィルスによる被害は4月10日時点で、中国全土で感染者33人、死亡者9人に増えた。そのうち上海市では15人が感染し5人が死亡するなど、高い比率を示している。

 「感染者は農村部が多い、私たちは大丈夫」(会社員・女性)、「死亡者は高齢者、僕たちは免疫力があるから」(大学生・男性)と楽観論も聞こえるが、実は上海市内でもあちこちに影響が出ている。同日午後、筆者は街に繰り出し、鳥インフル影響下の上海を歩いてみた。

Photo by Konatsu Himeda

鶏料理チェーン店はガラガラ
活きた鶏の取引量もダウン

 まず中国でも人気のおなじみKFCを訪れてみた。いつもは、学校の下校時刻である5時前後から、小腹をすかせた学生たちがここでたむろして店内が賑わっているのだが、案の定ガラガラだった。

 だが、KFCはすでにこうしたリスクも織り込み済みと見える。上海のKFCは、「エビバーガー」や「ビーフストロガノフ風ぶっかけご飯」など、鶏以外のメニューの比率を高めているのが近年の特徴的だ。過去にKFCの鶏がホルモン剤投与でマスコミの標的にされるなど、食品問題で叩かれてきた教訓だろう。

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姫田小夏 [ジャーナリスト]

ひめだ・こなつ/中国情勢ジャーナリスト。東京都出身。97年から上海へ。翌年上海で日本語情報誌を創刊、日本企業の対中ビジネス動向を発信。2008年夏、同誌編集長を退任後、「ローアングルの中国・アジアビジネス最新情報」を提供する「アジアビズフォーラム」主宰に。語学留学を経て、上海財経大学公共経済管理学院に入学、土地資源管理を専攻。2014年卒業、公共管理修士。「上海の都市、ビジネス、ひと」の変遷を追い続け、日中を往復しつつ執筆、講演活動を行う。著書に『中国で勝てる中小企業の人材戦略』(テン・ブックス)、共著に『バングラデシュ成長企業 バングラデシュ企業と経営者の素顔』(カナリアコミュニケーションズ)。

 


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90年代より20年弱、中国最新事情と日中ビネス最前線について上海を中心に定点観測。日本企業の対中ビジネスに有益なインサイト情報を、提供し続けてきたジャーナリストによるコラム。「チャイナ・プラス・ワン」ではバングラデシュの動向をウォッチしている。

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