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「超」入門 学問のすすめ――明治維新と現代日本に共通する23のサバイバル戦略
【第6回】 2013年4月23日
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鈴木博毅

歴史が教える教訓
未来のリーダーになれる人の3条件

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今と同じように、大きな変革、未来のリーダーが求められていた幕末・明治期。古いパラダイムを壊し、新しい未来をつくれた人にはどんな共通点があるのか?福沢諭吉という驚くべき“近代人”の「突破法」から、今日本人に必要な「リーダーの条件」を考える。

新社会人に、4月末までに
やっておくべき研修とは?

 支配的な思考や考え方を「パラダイム」と呼び、特定の業界や社会体制が長びくとそのパラダイムはやがて固定化されていきます。

 書籍『パラダイムの魔力』の著者であるジョエル・パーカーは、パラダイムを新しく変えることができる人を、以下の4つに分類しています。

(1)研修を終えたばかりの新人
(2)違う分野から来た経験豊富な人
(3)一匹狼
(4)よろずいじくりまわし屋(なんにでも好奇心をもつ人)

 ちょうど4月半ば、スーツ姿が初々しい社会人1年生は長い研修を受け、現場の仕事を見学する忙しい毎日を過ごしている時期ですが、パラダイムを新しく変えることができる分類に「研修を終えたばかりの新人」が含まれることに、驚くビジネスマンもいるのではないでしょうか?

 彼らがその可能性を持つのは、既存のパラダイム(支配的な考え方)を外からフレッシュな視点で見ることができるからです。逆に私たちは業界のパラダイムにすでに長い時間浸かり、半ば常識としてできることとできないことの境界線を明確に理解しています。

 ところがそのような「業界の常識としての限界や発想」を知らない新人は、時に会社や業界が本来直面している問題を、新しい視点や枠組みで解決する発想を得ることがあるのです。

 したがって「研修を終えたばかりの新人」には、彼らが業界の古いパラダイムに毒されないうちに、以下のような質問への提案論文を書かせるのがいいでしょう。

・わが社が直面している大きな課題をどう解決するか?
・業界自体の問題や現状を打破する新しいアイデアを出せ
・景気の問題、人口問題がある中での新規事業の発案

 ビジネスの右も左もわからない新人が、何をほざくと馬鹿にするのは簡単です。しかし、彼らに自社の課題へ当事者意識を持たせておくことは、パラダイムを打ち破る新しいアイデアを醸成させるために、重要なチャンスでもあると考えるべきでしょう。

 ちなみにジョエル・パーカーは少し皮肉を込めて、最高のアイデアを思いつくときは、

1. 入社したての新人時代
2. その会社を辞める直前

の2つの時期だとしています。

 新人時代は、フレッシュな視点で入ったばかりの会社や業界を眺めることができるから。そして会社を辞める直前は、斬新なアイデアを持っても頭のカタイこの会社では、新たなアイデアを事業化するだけの懐も、柔軟性もないと気がつくからです(本当に斬新なアイデアを持った人は、硬直化した組織の会社を辞めて独立してしまう)。

 鉄は熱いうちに打て、ということわざもあります。新入社員の頭脳が柔らかいうちに、斬新な発想を彼らから引き出すため、大きな課題を「質問形式」で彼らにぶつけることを、ためらわないほうがいいでしょう。役職が上がっている頃には、すっかり古いパラダイムに毒されているかもしれないのですから。

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鈴木博毅 

1972年生まれ。慶応義塾大学総合政策学部卒。ビジネス戦略、組織論、マーケティングコンサルタント。MPS Consulting代表。貿易商社にてカナダ・豪州の資源輸入業務に従事。その後国内コンサルティング会社に勤務し、2001年に独立。戦略書や戦争史、企業史を分析し、ビジネスに活用できる新たなイノベーションのヒントを探ることをライフワークとしている。顧問先には顧客満足度ランキングでなみいる大企業を抑えて1位を獲得した企業や、特定業界で国内シェアNo.1の企業など成功事例多数。日本的組織論の名著『失敗の本質』をわかりやすく現代ビジネスマン向けにエッセンス化した『「超」入門 失敗の本質』(ダイヤモンド社)は14万部を超えるベストセラーとなる。その他の著作に、『企業変革入門』『シャアに学ぶ逆境に克つ仕事術』(日本実業出版社)、『戦略の教室』(ダイヤモンド社)、『「空気」を変えて思いどおりに人を動かす方法』(マガジンハウス)、『実践版 孫子の兵法』(プレジデント社)、『この方法で生きのびよ』(経済界)、『君主論』(KADOKAWA)などがある。

 


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