ダイヤモンド社のビジネス情報サイト
逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

其の40「論語」を読む。「死」とはなにか?
親しい人の死に臨んで

江上 剛 [作家]
【第40回】 2013年4月30日
著者・コラム紹介バックナンバー
1
nextpage

 親しい人が亡くなった。71歳だった。本人は、ガンモドキと言っていたが、肝臓癌だったのだろう。

 手術もせず、抗がん剤も飲まず、癌で死ぬのが一番いいとうそぶきながら、悠々と逝ってしまった。

 私が、銀行で大きなトラブルに巻き込まれた時も、退職した時も、作家になって順調な時も、逆境の時も、いつも変わらず励まし、支えてくれた。

 定期的に食事をし、銀座で飲ませてもらい、いろいろな話を聞かせてもらった。

 亡くなる2週間前にも一緒に食事をした。痩せて腹水が溜まり、苦しそうだったが、ほんの少しビールを飲み、肴を口にすると、目が輝き、話に熱が入った。6月にまた会おうと日程を決めたが、もたないだろうなという予感があった。タクシー乗り場まで歩こうとされたので、心配になって見送った。タクシーに乗りこまれ、軽く右手をあげられた。それが最後だった。

 告別式に参列し、笑顔の写真を見たら、号泣してしまった。せめてもう何年か生きてほしかった。本当にありがとうございました。

今を大切に生きる

 人は死ぬ。死ぬとは別れだ。もうこの世では二度と会えない。残された者は、どうすればいいのか。

1
nextpage
関連記事
スペシャル・インフォメーションPR
クチコミ・コメント

DOL PREMIUM

PR

経営戦略最新記事» トップページを見る

最新ビジネスニュース

Reuters

注目のトピックスPR

話題の記事

江上 剛 [作家]

えがみ ごう/1954年1月7日兵庫県生まれ。本名小畠晴喜(こはた はるき)。77年3月早稲田大学政経学部卒業。同年4月旧第一勧業銀行(現みずほ銀行)入行。高田馬場、築地などの支店長を歴任後、2003年3月同行退行。1997年に起きた第一勧銀総会屋利益供与事件では、広報部次長として混乱収拾に尽力する。『呪縛 金融腐蝕列島』(高杉良作・角川書店)の小説やそれを原作とする映画のモデルとなる。2002年『非情銀行』(新潮社)で作家デビュー。以後、作家に専念するも10年7月日本振興銀行の社長に就任し、本邦初のペイオフを適用される。


逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―

作家・江上剛氏は、その人生で2回も当局による強制捜査を経験した。その逆境にあって、心を支えくれたのが、「聖書」「論語」「孫子」などの古典の言葉である。ビジネス界に身を置けば、さまざまな逆風にされされることも多い。どんな逆境にあっても、明るく前向きに生きる江上剛氏が、柔術ならぬ“剛術”で古典を読み解き、勇気と元気の“素”を贈る。

「逆境を吹っ飛ばす江上“剛術”―古典に学ぶ処世訓―」

⇒バックナンバー一覧