手術はできないと言われた腰痛が
たったの3カ月で劇的に改善

 Aさん(44歳/女性)は、27歳のときに椎間板ヘルニアの手術をしましたが、腰痛が再発して来院されました。Aさんのようにかなり年月を経て再発するケースも少なくありません。お話を聞くと、1カ月前に転倒してしまった際、体をかばったせいで左手首を強く打撲されたとのこと。腰を直接打ち付けたわけではないのに、それ以降、腰痛が再発。日常生活もままならなくなるほど悪化しての来院でした。

「病院で診てもらって、レントゲンも撮りましたが、再手術はできないと言われました。私の腰痛はもう治らないのでしょうか……」と、かなり悲観されている様子のAさん。病院での診断は、前回の手術ですでに椎間板を1センチほど削っているので、もうこれ以上は削れない、というものでした。ご本人が、手術に対してなんの抵抗も持っていなかっただけに、その手術そのものができないという判断は、かなりショックなようでした。彼女にはまず、基本的な施術をして目下の痛みを和らげていきました。しかし、来院のたびに施術をするだけでは、よくなるまでに時間がかかります。このケースだと最低でも半年はかかる見通しでした。

 そこで、私は、Aさんに2回目の治療で正座をしてもらうことにしたのですが、最初は「先生、ひざが痛いです」とかなりつらそうでした。Aさんの場合、腰の痛みがひざのほうまで影響を与えていたのです。なるべく痛まないようにタオルを使っていただき、ひざへの負担を減らしながら正座の指導を行ったところ、「この姿勢なら、腰もひざも痛くありません」と、一瞬で表われた効果にびっくりしている様子でした。
 その後も通院で治療を続けながら、自宅ではタオルを使って「朝30秒の正座」健康法を続けていただきました。結果、半年はかかるだろうと予測していたAさんの腰痛は、半分の3カ月弱で全快しました

 腰痛が治るまでの時間は、腰痛の程度によって違います。重度になればなるほど、それだけ体に負担をかける生活習慣を長く続けてきたという証拠です。長く腰痛を患ってきた方は、それと同じくらい時間をかけて、腰痛改善の習慣を続けていくと思ってください。その積み重ねによって、腰痛にならない体をつくっていく。それくらいの心構えをしておくことが大切です。
 もちろん、「朝30秒の正座」健康法によって、1カ月以内で治る方もたくさんいます

 腰痛は歳のせいでもないし、一生付き合っていかなければいけないものでもありません。ほんの少しの習慣、「朝30秒の正座」を続けるだけで、9割の方は自分の力で治すことができるのです。
 
   (本連載は、書籍『「朝30秒の正座」で腰痛が治る』からの抜粋です)

次回は5月29日更新予定です。


 
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