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3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

報告と手続きは道具であって支配者ではない

上田惇生
【第68回】 2008年6月17日
著者・コラム紹介バックナンバー
現代の経営
ダイヤモンド社刊
上下巻各1800円(税別)

 「報告と手続きは道具である。だがこれほど誤って使われ害をもたらしているものはない」(『現代の経営』)

 報告と手続きは誤った使い方をされるとき、道具ではなく支配者となる。

 よく見られる誤りが、手続きを規範と見なすことである。しかし手続きは完全に効率上の手段である。何をなすべきかは規定しない。

 同じくよく見られる誤りが、手続きを判断の代わりにすることである。しかし手続きが有効に働くのは、判断が不要になっているときである。すでに判断を行ない、その正しさが検証されているという反復的な状況においてだけである。

 われわれの文明は印刷された書式の魔力にあまりにとらわれている。

 そして、報告と手続きの最もよく見られる間違った使い方が、管理の道具として使うことである。

 かつてドラッカーは、ある公益事業に提案して、報告と手続きを2ヵ月廃止し、現場が必要とするものだけを復活させたという。その結果、報告と手続きを4分の3削減させたという。

 報告と手続きは記入する者の道具でなければならない。記入者を評価するための道具にしてはならない。記入の出来栄えによって仕事を評価してはならない。記入ぶりによって評価してよいのは、記入を仕事にしている事務員だけである。

 「報告と手続きのすべてについて、本当に必要かを定期的に検討する必要がある。5年に一度は、すべての書式を見直さなければならない」(『現代の経営』)

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上田惇生(うえだ・あつお) 

 

ものつくり大学名誉教授、立命館大学客員教授。1938年生まれ。61年サウスジョージア大学経営学科留学、64年慶應義塾大学経済学部卒。経団連、経済広報センター、ものつくり大学を経て、現職。 ドラッカー教授の主要作品のすべてを翻訳、著書に『ドラッカー入門』『ドラッカー 時代を超える言葉』がある。ドラッカー自身からもっとも親しい友人、日本での分身とされてきた。ドラッカー学会(http://drucker-ws.org)初代代表(2005-2011)、現在学術顧問(2012-)。

 


3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言

マネジメントの父と称されたドラッカーの残した膨大な著作。世界最高の経営学者であったドラッカーの著作群の中から、そのエッセンスを紹介する。

「3分間ドラッカー 「経営学の巨人」の名言・至言」

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