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インキュベーションの虚と実

エンタープライズ市場の時代がやってきた!
クラウドやUXの進化で新たに生まれるニーズとチャンス

本荘修二 [新事業コンサルタント]
【第27回】 2013年5月27日
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アベノミクスで上昇基調の日本
予算拡大でチャンスも

 ここまで述べたメガトレンドに加え、日本でみられる背景について補足したい。

 サブプライム、そしてリーマンショックに伴う企業予算の引き締めは、日本のエンタープライズ分野のスタートアップに暗い影を落とした。予算の縮小は、新規の購買を大幅に減らし、スタートアップのソリューションはなかなか受け入れられなくなった。

 しかし、アベノミクスで景気は上昇基調となり、2008年からのトンネルを抜け出しつつある。ファンダメンタルの懸念はあるが、日本市場が元気になりつつあるのはもはや事実と言ってもいいだろう。これはエンタープライズ市場にプラスとなる。

 また、仕事のクラウドソーシングのスタートアップへの投資が日本で続いている。たとえば、クラウドワークス(エンジニア、デザイナー)、ランサーズ(クリエイター、エンジニア)、PurpleCow(デザイン)などだ。これだけでなく昨年からエンタープライズ市場でのスタートアップが日本でも盛り返しつつある印象を受ける。

 もちろんコンシューマー分野でのニーズは続くが、エンタープライズ市場が見過ごされていた時代が過ぎ去ったということだ。米国からタイミングは遅れたが、日本でも期待したい。もっとも、米国とは相似形でスタートアップが育つとは思えない。日本市場の特性と人材に合致したテーマと展開が、求められるだろう。

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本荘修二

新事業を中心に、日米の大企業・ベンチャー・投資家等のアドバイザーを務める。多摩大学(MBA)客員教授。Net Service Ventures、500 Startups、Founder Institute、始動Next Innovator、福岡県他の起業家メンター。BCG東京、米CSC、CSK/セガ・グループ大川会長付、投資育成会社General Atlantic日本代表などを経て、現在に至る。「エコシステム・マーケティング」など著書多数。訳書に『ザッポス伝説』(ダイヤモンド社))、連載に「インキュベーションの虚と実」「垣根を超える力」などがある。


インキュベーションの虚と実

今、アメリカでは“スタートアップ”と呼ばれる、ベンチャー企業が次々と生まれている。なぜなら、そうした勢いある起業家たちを育てる土壌が整っており、インキュベーターも多く、なにより、チャレンジを支援する仕組みが存在するからだ。一方の日本はどうなのだろうか。日米のベンチャー界の環境の変化や最新のトレンドについて、25年にわたってベンチャー界に身を置いてきた本荘修二氏が解説する。また日本でベンチャーが育ちにくいと言われる背景を明らかにし、改善するための処方箋も提示する。

「インキュベーションの虚と実」

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