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ジャーナリストキャンプ報告「震災後の福島に生きる」

仮設住宅が「見える化」する
暇すぎる独居オヤジの悲哀

【第2回】 2013年5月30日
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「原発避難者がパチンコに入り浸っている」。そんな噂の実態を確かめようと、福島県いわき市内の原発避難者の仮設住宅を訪れてみると、パチンコだけでは語れない、独居オヤジたちの孤独な生活が垣間見えてきた。(取材・文・撮影/ジャーナリスト 新志有裕〈しんし・ありひろ〉)

 「原発避難者は金と暇を持て余して、パチンコに入り浸っている」。こんな噂話がネット上で流れているのをたまに見かけるが、本当なんだろうか。福島第一原発の事故の影響で、福島県双葉郡の町村から住民約2万4000人が避難している福島県いわき市を訪ねると、市内でもそんな噂話が流れていた。

 しかし、多くの支援関係者に聞いても、「女性は比較的外に出てくるが、男性が何をしているのかよく分からない」。そこで、とある仮設住宅を訪ねてみると、パチンコだけでは語れない独居オヤジの孤独な日々が垣間見えてきた。仮設住宅が、社会に潜む問題を「見える化」しているのかもしれない。

プラント建設の作業員として
60ヵ国を渡り歩いたオヤジ

 車で近づくと、整然と並んでいるプレハブ住宅が目に入ってきた。200棟以上はありそうだ。ゴールデンウィーク期間中に訪れたため、外に出かけようとする人も多く、駐車場付近は車が頻繁に出入りしていた。いわき市内には、同じような仮設住宅が36ヵ所もある。

仮設住宅はプレハブが整然と並んでいて、人影はまばらだ

 駐車場から住宅エリアに迫ると、通路はひっそりとしていて、人影もまばらになってきた。とある住宅の前に立って、中をのぞいてみた。まず目に入ったのは、玄関に置かれた第三のビール「クリアアサヒ」の空き缶ばかりが入ったゴミ袋だった。30缶以上はあるかもしれない。思い切って、インターホンを押してみた。

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ジャーナリストキャンプ報告「震災後の福島に生きる」

 原発事故報道に埋もれた「フクシマ」のリアルに、百戦錬磨のジャーナリストたちが迫る。新聞協会賞受賞、朝日新聞「プロメテウスの罠」の依光隆明。「フクシマ論」で一気に注目を浴びた気鋭の社会学者・開沼博。地元東北を代表する地方紙、河北新報で気を吐く編集委員・寺島英弥。ネットの視点を持つ前ニコニコニュース編集長・亀松太郎。そしてデータジャーナリズムの第一人者・赤倉優蔵。5月、一斉に福島県いわき市に入り、グループを率いて競い合うように取材した彼らが、震災から二年を過ぎた被災地で見たものは。

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