社員から信頼される経営者になるには

瀬戸 こうしてお話しいただいている間も、新先生は常に褒めてくださる。人は誰でも100点ではないですよね。でもここぞというときに自信を持って突き進めなければ新規事業などは成功しません。そんなときに褒めていただくと、本当にヤル気が出ます。これは経営者として見習うべきところだと思っています。自分はまだまだ足りないなと反省しきりです。

 そうですか?でも健康コーポレーションの社員と話していると、瀬戸さんのことを悪く言う社員なんか1人もいないですよ。

 上よりも下からの評判がいい人こそ本物ですよね。人間誰しも、上にはいいところを見せたいから自分を取りつくろいます。下にはどうしてもわがままや地金が出るものです。

 でも、瀬戸さんの悪口を聞いたことは一度もない。先日、ある社員になんでこの会社に入ったのかと聞いたら「瀬戸さんに惚れたんです」と言われました。そんな会社に来ると、気持ちが明るくなるね。気分がいいですよね。

瀬戸 本当ですか?それは嬉しいですね。

 おそらく私のことは、陰でみんな悪口を言っていると思いますけれどね。「あいつはうるさいじいさんだ」なんて(笑)。

瀬戸 ご冗談を!新先生こそ社員全員に愛されていらっしゃる。僕なんかの比ではないです。

 会議に出席しているとね、瀬戸さんは私が見てもイライラするくらいじっくりと社員の意見に耳を傾けていますね。私だったらそこまで社員に言われたら我慢できないと思うようなことでも、じっと耳を傾けている。よく聞くということは社員のモチベーションを高めるのに一番効果的な方法です。

 社員のモチベーションが高まれば生産性が高まり、収益が上がる。これは経営の原理原則そのものです。最初にも言ったけれど、上の人に対してだけでなく、自分よりも下の立場にいる人たち、つまり経営者から見て社員に対してもグッドリスナーであることが、社員に愛される経営者になる最良の近道でしょう。

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健康コーポレーション株式会社の躍進を取締役として支える新氏の話にじっと耳を傾ける瀬戸氏。新氏はたびたび「3人のメンターを持て」と語っていますが、お2人の強い信頼関係を目の当たりにし、瀬戸氏にとって新氏はまさしくメンターなのだと感じました。

 この対談の後編は、6月24日に更新予定です。経営者のあるべき姿について、さらに一歩踏み込んだお話を両氏に伺います。


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