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今週の音盤=心のビタミン ビジネス・パーソンのための音楽案内

【吉田拓郎「元気です」】
日本の音楽のあり様に革命を起こす

小栗勘太郎 [音楽愛好家]
【第61回】 2013年6月13日
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 今週の音盤は、吉田拓郎「元気です」(写真)を選びました。

 この音盤は、1972年7月21日に発表され ました。決して古くならない輝きを発している音盤ですが、既に発表から40年以上も経過しています。それでも、今週の音盤に選んだ理由は二つです。

 第1に、「元気です」は、日本の音楽シーンに革命を起こしました。
 第2に、「元気です」は、1970年代の時代の空気を極めて高い鮮度を保ったまま、今に伝えています。

テレビ出演を拒否

 「元気です」を聴いたことのある人なら知っているはずですが、この音盤には革命を歌った歌は一つもありません。にもかかわらず、この音盤は、日本における音楽のあり様に革命を起こしました。

 1972年(昭和47年)当時の日本の音楽界は歌謡曲・演歌が主流でした。各レコード会社が抱えている職業作詞家・職業作曲家が書いた曲を歌手が歌うという分業体制があり、テレビ出演でファンにアピールし、シングル盤を売る、というのが主要な音楽活動になっていました。

 そんな中、深夜放送を聴く若い世代の一部は、従来の歌謡曲に飽き足らず、欧米から流入して来たポップス(洋楽と言っていた)や日本人のフォーク・シンガー達に熱中していました。が、レコード販売という意味では全く少数派でした。

 そこに、鮮やかに登場したのが吉田拓郎です。

 1972年2月に発表されたシングル盤“結婚しようよ”が40万枚を売る大ヒットとなりました(アルバム「人間なんて」(写真)に収録)。しかし、吉田拓郎はテレビ出演を拒否していました。

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小栗勘太郎 [音楽愛好家]

1958年生まれ、牡羊座のB型。某国立大学卒、米国滞在5年。公僕を生業とする音楽愛好家。著書は『音楽ダイアリーsideA』 『同sideB』(西日本新聞社)。『毎日フォーラム』誌にて「歴史の中の音楽」を連載中。


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ビジネス・パーソンは日夜、現場で闘って、日々、喜怒哀楽を感じる。実は音楽の現場も同じだ。だって、音楽もビジネスも、所詮、生身の人間が作る、極めて人間くさい営みだから。音楽には妙な薀蓄など不要かもしれないが、音楽が生まれる時には物語がある。それを知って聴けば、喜びが倍になり、悲しみが半分になるかもしれない。毎週1枚、心のビタミンになるような音盤を綴ります。

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