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アフリカ、経済成長の光と影

世界から集まるカネ、知識、人、薬、コンドーム……
それでも解決遠いHIV/エイズ問題の根底にあるもの

【第3回】 2013年6月14日
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サハラ砂漠以南のサブサハラ・アフリカ諸国にとって、もっとも頭の痛い社会問題はHIV/エイズ問題だろう。国連や世界基金、数々の国際機関が支援を続けているものの、解決には長い道のりが見込まれている。HIV/エイズとの戦いを、タンザニアのHIV/エイズ対策を一例にレポートするとともに、問題の本質を探っていく。そこからは、本連載第2回で黒川 清・日本医療政策機構代表理事が述べた「貧困と健康問題の密接な関係」が見えてきた。(取材・文/ダイヤモンド・オンライン編集部 片田江康男)

資源開発が進むと同時に
HIV陽性者が増加する街

ムトワラ空港の建物から出ると、すぐに舗装されていない道になる Photo by DOL

 タンザニアの政治・経済の中心地、ダルエスサラームから国内線で約1時間南下すると、モザンビークとの国境に近い街、ムトワラがある。滑走路は1本のみ、空港建物から出れば、すぐに土と砂利の悪路がムトワラ市街地まで続く。ここはカシューナッツの産地としても知られている。

 この静かな田舎町で、ジワリとHIV陽性者が増加している。

 「ムトワラの域内では2007~08年のHIV陽性者は3.6%だった。それが2012年には4.1%に上昇している。特に女性の陽性者が増加傾向だ。これは今後も上昇を続けるだろう」

 こう話すのは、ムトワラ中心地にあるリグラ・リージョナル・ホスピタルでHIVコントロール・コーディネーターを務めるハムフェダス・キサモ氏。最大の要因は近隣で活発化する資源開発だという。

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アフリカ、経済成長の光と影

いま、アフリカ大陸に世界の経済人たちの熱い視線が注がれている。本格的な経済成長へ向けて、政府間では数千億円規模の開発プロジェクトが次々と決定。企業もアフリカの市場として可能性に注目し、本格的に進出へ動き始めた。それはまるでアフリカ投資に関して遥か先を走る中国政府の動きに引っ張られているかのようで、前のめりな姿勢が目につく。しかし、冷静にアフリカ市場を見ていくと、いまだに貧困問題や感染症問題が未解決のまま残されており、市場の成長を阻害する要因となっているようだ。本連載ではアフリカ経済の成長性という光の部分と、未解決のまま残された社会問題という影の部分を取り上げる。

「アフリカ、経済成長の光と影」

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