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米政府「プリズム問題」に関して
明らかになってきた数字と「3つの疑問点」

瀧口範子 [ジャーナリスト]
【第250回】 2013年6月19日
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 グーグル、マイクロソフト、アップル、ヤフーなど、大手テクノロジー企業がこぞって協力していたという、プリズム・プログラム。米国家安全保障局(NSA)の要請に従って、ユーザーのメール、チャット、写真、ビデオ、各種保存ファイルなどを含めた個人情報を提供していたという問題だ。

 当初そうした情報提供を否定していた各社は、プリズム・プログラムの存在が明らかになった1週間後ほどから、徐々に協力を認め始めている。だが、実際にプリズム・プログラムがどんな仕組みになっていたのかという点については、依然として謎が残ったままだ。

 プリズム・プログラムに関する疑問には、いくつかの要素がある。

 最初に、どこからどんな情報を入手しているのかという点。そして、どういった方法で入手しているのかという点。さらに、その生情報をどうプロセスして、どのように使っているのかという点だ。

疑問その1:どんな情報をどこから入手しているのか?

 まず、どんな情報をどこから入手しているのかについては、おおまかに2つのルートがあるようだ。ひとつは、協力したテクノロジー企業各社から提供されるユーザーの個人情報である。情報の中味は、上述したような内容だが、ソーシャルネットワーク時代においては、個人が個人だけではすまない。その個人が誰と結びついているのかといった人間関係のネットワークも明らかになるだろう。

 もうひとつのルートは、リアルタイムのネットワークの傍受である。電話やインターネット利用はケーブルを傍受することによって明らかになる。電話については、AT&Tが太平洋や大西洋岸で上ってくる海底ケーブルの信号を傍受していたとされる。

 今回機密情報を明らかにしたエドワード・スノードンによると、電話番号からメール、ユーザーID、携帯電話のIDなど、知ろうとすれば何でもわかるという。

 インターネットに関しては、NSAが強力な暗号解読装置を持っていれば、やはりかなりの情報が手に入る。しかも、世界のインターネット通信のほとんどが米国を経由しているため、世界中のやりとりがここで入手可能になるのだ。

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瀧口範子 [ジャーナリスト]

シリコンバレー在住。著書に『行動主義: レム・コールハース ドキュメント』『にほんの建築家: 伊東豊雄観察記』(共にTOTO出版)。7月に『なぜシリコンバレーではゴミを分別しないのか?世界一IQが高い町の「壁なし」思考習慣』(プレジデント)を刊行。


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